ライフ

江戸東京博物館【1】壇蜜、江戸時代の寿司を見て「わっ、大きい」

山下裕二氏と壇蜜が東京都江戸東京博物館を巡る

山下裕二氏と壇蜜が東京都江戸東京博物館を巡る

 美術史家で明治学院大学教授の山下裕二氏と、タレントの壇蜜──日本美術応援団の2人が、日本の美術館や博物館の常設展を巡るこのシリーズ。今回は東京・墨田区の東京都江戸東京博物館の第1回。2人が江戸っ子の日常を垣間見る。

壇蜜:エイッ!(纏を高く振り上げてまもなく)重くて、もうだめ~。15キロもある纏を振って火事の現場で働いていたなんて、江戸の町火消の皆さんはなんて力持ちだったんでしょう。

山下:26キロの肥桶も重さを体験できますよ。昔の人はこんなに重いものを日常で担いでいたんですねぇ。

壇蜜:わっ、江戸の寿司屋台だ。握り寿司もまた1貫の大きいこと。まるでおにぎりみたい。漬けマグロにアナゴ、コハダとおなじみの江戸前のネタですね。

山下:白魚のかんぴょう巻きもあって、当時の食文化がわかりますね。東京都江戸東京博物館では町人の長屋や祭の山車、屋台といった江戸時代の庶民の暮らしが模型などで様々に再現され、実物の大きさや重さまでリアルに感じられます。

壇蜜:棟割長屋のごみ溜めや雪隠も見られて、なんて細部まで展示されているのだろうと驚きました。こちらは歌舞伎の舞台。『助六』といえば、江戸歌舞伎の十八番のひとつですね。そうそう、売れっ子太夫の揚巻と色男の助六の物語。あらすじの解説もあって、庶民はこうした娯楽に興じていたのだと江戸っ子の日常をより深く実感できます。

【プロフィール】
山下裕二(やました・ゆうじ)/1958年生まれ。明治学院大学教授。美術史家。『日本美術全集』(全20巻、小学館刊)監修を務める、日本美術応援団団長。

壇蜜(だん・みつ)/1980年生まれ。タレント。執筆、芝居、バラエティほか幅広く活躍。近著に『三十路女は分が悪い』(中央公論新社刊)。

●東京都江戸東京博物館
【開館時間】9時30分~17時30分(土曜は19時30分まで/最終入館は閉館30分前まで)※当面の間、土曜も17時30分閉館
【休館日】月曜(祝日または振替休日の場合は翌日)、年末年始 ※1月12日は臨時休館
【入館料】一般600円
【住所】東京都墨田区横網1-4-1

撮影/太田真三 取材・文/渡部美也

※週刊ポスト2021年1月15・22日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

群馬県前橋市の小川晶前市長(共同通信社)
「再選させるぞ!させるぞ!させるぞ!させるぞ!」前橋市“ラブホ通い詰め”小川前市長が支援者集会に参加して涙の演説、参加者は「市長はバッチバチにやる気満々でしたよ」
NEWSポストセブン
ネットテレビ局「ABEMA」のアナウンサー・瀧山あかね(Instagramより)
〈よく見るとなにか見える…〉〈最高の丸み〉ABEMAアナ・瀧山あかねの”ぴったりニット”に絶賛の声 本人が明かす美ボディ秘訣は「2025年トレンド料理」
NEWSポストセブン
千葉大学看護学部創立50周年の式典に出席された愛子さま(2025年12月14日、撮影/JMPA)
《雅子さまの定番カラーをチョイス》愛子さま、“主役”に寄り添うネイビーとホワイトのバイカラーコーデで式典に出席 ブレードの装飾で立体感も
NEWSポストセブン
審査員として厳しく丁寧な講評をしていた粗品(THE W公式Xより)
《「脳みそが足りてへん」と酷評も》粗品、女性芸人たちへの辛口審査に賛否 臨床心理士が注目した番組冒頭での発言「女やから…」
NEWSポストセブン
12月9日に62歳のお誕生日を迎えられた雅子さま(時事通信フォト)
《メタリックに輝く雅子さま》62歳のお誕生日で見せたペールブルーの「圧巻の装い」、シルバーの輝きが示した“調和”への希い
NEWSポストセブン
宮崎あおい
《主演・大泉洋を食った?》『ちょっとだけエスパー』で13年ぶり民放連ドラ出演の宮崎あおい、芸歴36年目のキャリアと40歳国民的女優の“今” 
NEWSポストセブン
日本にも「ディープステート」が存在すると指摘する佐藤優氏
佐藤優氏が明かす日本における「ディープステート」の存在 政治家でも官僚でもなく政府の意思決定に関わる人たち、自らもその一員として「北方領土二島返還案」に関与と告白
週刊ポスト
大谷翔平選手と妻・真美子さん
《チョビ髭の大谷翔平がハワイに》真美子さんの誕生日に訪れた「リゾートエリア」…不動産ブローカーのインスタにアップされた「短パン・サンダル姿」
NEWSポストセブン
会社の事務所内で女性を刺したとして中国籍のリュウ・カ容疑者が逮捕された(右・千葉県警察HPより)
《いすみ市・同僚女性を社内で刺殺》中国籍のリュウ・カ容疑者が起こしていた“近隣刃物トラブル”「ナイフを手に私を見下ろして…」「窓のアルミシート、不気味だよね」
NEWSポストセブン
石原さとみ(プロフィール写真)
《ベビーカーを押す幸せシーンも》石原さとみのエリート夫が“1200億円MBO”ビジネス…外資系金融で上位1%に上り詰めた“華麗なる経歴”「年収は億超えか」
NEWSポストセブン
神田沙也加さんはその短い生涯の幕を閉じた
《このタイミングで…》神田沙也加さん命日の直前に元恋人俳優がSNSで“ホストデビュー”を報告、松田聖子は「12月18日」を偲ぶ日に
NEWSポストセブン
高羽悟さんが向き合った「殺された妻の血痕の拭き取り」とは
「なんで自分が…」名古屋主婦殺人事件の遺族が「殺された妻の血痕」を拭き取り続けた年末年始の4日間…警察から「清掃業者も紹介してもらえず」の事情