親の喜びを子世代目線で考えると、自分が連れて行った旅行や孫の成長など、最近の思い出ばかりが浮かんでしまうが、不安を吹き飛ばすようなワクワクは、老親の現役時代にある。そこへ子供の方から歩み寄る。これも家族だからこそ共有できることだ。
「親が要介護になったらひとつの区切りがついたと気持ちを切り替える必要があります。しかしあきらめてはいけないのはコミュニケーション。たくさん昔話をして、親の好きなこと、うれしいことを探しておきましょう。それが何より得難い絆になるはずです」
【プロフィール】
本田美和子さん/一般社団法人日本ユマニチュード学会代表理事。筑波大学医学専門学群卒。内科医。亀田総合病院などを経て米国コーネル大学老年医学科などを経て、日本でのユマニチュードの導入、実践、教育、研究に携わり普及を牽引。国立病院機構東京医療センター総合内科医長、医療経営情報・高齢者ケア研究室長。本田さんが監修した3枚組DVD『優しい認知症ケアユマニチュード』は、NHK厚生文化事業団の福祉ビデオライブラリーで無料貸し出しが可能。また、日本ユマニチュード学会が監修する、家族介護のお悩みを解決するiPhone向けアプリ『Carewiz(ケアウィズ)』は無償提供中。
取材・文/斉藤直子 イラスト/鈴木みゆき
※女性セブン2021年1月21日号