コロナ不況で文系人気が低下する

 資格系の学部が人気化している背景には、コロナ禍における大手企業の業績悪化、リストラの加速、コロナ解雇の急増などがあると思われる。コロナ禍の直撃を受けた航空・観光関連をはじめ多くの人気企業が、大学生の就職人気ランキングで順位を大きく落としていることからも分かるように、不況時における若者たちの防衛意識が、「資格」へと走らせているのだろう。

 では、どんな学部が人気化しているのか。全体でいえば「理高文低」だという。文系では、公務員試験に強い法学部系。不況の影響を受けにくい安定した職業である公務員志望者が選ぶコースだ。

 理系ではICT関連が強い。テレワークの推進や地方のICTインフラ拡充の動き、AI導入の拡大などで、電子工学や情報工学の分野が人気となっている。そうした中、就職の面倒見がいい工科系大学に志願者が多く流れるのではないかとの見方が強い。

 逆に経済・経営、社会科学系はコロナ不況が続くとの見通しから人気は低下。インバウンド関連の衰退でグローバル系もこれまでのような人気は保てないのではないか、と見られている。

コスパも高い公立大学人気に拍車

 ここ数年、受験生の支持を集めている公立大学もさらに人気化する可能性がある。とりわけ地方の公立大学は、都会に比べコロナ感染のリスクが低いうえ、場合によっては自宅から通えるケースもある。さらに都会の私立大学に比べ授業料が安く、生活コストも低い。
全体的に定員が少ないので、教育環境も悪くない。地元密着だけに就職も安定している。

「文科省のまとめによると、2020年度の国立大学の志願倍率は3.9倍、公立大学は6.0倍でした。数年前に公立化した公立諏訪東京理科大学は、募集人員208人に対し志願者は2870人。志願倍率はじつに13.8倍と全国の国公立大学でトップ水準でした。

 大学のHPによると北海道から沖縄まで33都道府県から入学しています。今年の志願状況はこれからですが、推薦入試に限ってみると、情報応用工学科は50人の定員に対し121人が、機械電気工学科は50人に対し77人が志願しました。

 注目したいのは合格倍率が2.7倍だった情報応用工学科の地域枠の試験の最高点が、200点満点中184点となっていること。受験者の平均点は118点でした。地元の優秀な高校生が受験したということでしょう」(教育関係を取材するジャーナリスト)

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン