──ICT(情報通信技術)は、近未来を生き抜くための必須スキルだと書かれています。年を重ねるほど苦手意識を持つ人も多いと思いますが、取得する秘訣は?
藤森:出てきた技術を使ってみることです。自分で分からない場合は、罵倒されても頭を下げて、若い人や詳しい人に教えてもらう。3時間かかっても1日かかっても、覚えていくしかありません。システム自体を完全に理解する必要はなく、使えればいいんです。80歳だろうが90歳だろうが、働いていようがいまいが、ICTスキルのない人は損をする時代です。
男性が女性を搾取するのも、女性が男性をATM扱いするのもアンフェア
──前著から一貫して説かれているのは、勉強し続けること、一人で食べていく力を持ちつづけることの大切さですね。
藤森:大企業に入ったら一生安泰とか、男性なら食べていけるとか、そういう時代は終わりつつありましたが、コロナで、さらに終わりに近づいていると思います。もちろん、まだ昔ながらの価値観で生きている人は男女問わずいますし、だから男性の機嫌をとったり、ハイスペックな男性を掴まえることに必死になっている女性はいるでしょう。ただ私は、自分で食べていく力を養ったほうがいいのではないかという考えです。
──ただし、働いていても失業することはある。困窮したときは公的支援の利用も検討すべきで、そのために必要なことも書かれています。
藤森:国の支援制度はたとえば厚生労働省のサイトに載っていますが、はっきりいって検索しやすくもないし、わかりやすくもないと私は思います。だからといって使わないのはよくないわけで、まずは自分で調べて動き、助けてもらいたいなら助けてもらいたいとアピールする必要があります。そのためには、自分の要求を相手にきちんと伝える国語能力が必要になります。馬鹿であっても、無知ではいけない。支援を受けるにも相応の能力が必要なのです。