小笠原さん考案の『あくび体操』をする坂東さんと小笠原さん

小笠原さん考案の『あくび体操』をする坂東さんと小笠原さん

小笠原:せめて70才を超えたら、自分や家族のためだけでなく、国民のために、山川草木すべてのお役に立てれば幸せだと思えるようになりたいですね。

坂東:いろいろな物事を知るだけでなく、自分の命のありようや人の縁の不思議さをしっかりと知ること。年を取ったらそんな「智慧」を身につける必要があります。

小笠原:悟るような智慧ですね。こればかりは勉強しても身につかず、聞くことと、実践から学ぶしかありません。

坂東:私たちはいつ死ぬかわからないからのほほんと生きていますが、やはり高齢期になるとどれだけ健康に気をつけていても病気になることが避けられず、大切な人との別れにも直面して、「ああ自分はあと何年生きるだろうか」、「残された時間をどう生きればいいのだろうか」と考え始めます。そのとき大事なのは、「残りの人生はいい生き方をしよう」とスイッチを入れることではないでしょうか。

小笠原;たとえば70才の古希から77才の喜寿までの黄金世代、「人のお役に立てる、もっといい生き方をしたい」と心に誓うことですね。

坂東:その通りです。コロナやがんや不慮の事故で亡くならず、運よくも生きていられるのですから。いまを大切に生きることが、いい死を迎えるうえでもとても大事であると思います。結局のところ、いい生き方をすると、いい死に方ができるのだと思っています。

【プロフィール】
坂東眞理子(ばんどう・まりこ)/1946年富山県生まれ。昭和女子大学理事長・総長。1969年に総理府入省。男女共同参画室長、埼玉県副知事などを経て、1998年、女性初の総領事になる。2001年、内閣府初代男女共同参画局長を務め退官。330万部を超える大ベストセラーになった『女性の品格』ほか著書多数。

小笠原文雄(おがさわら・ぶんゆう)/1948年岐阜県生まれ。小笠原内科・岐阜在宅ケアクリニック院長。循環器専門医・在宅専門医。日本在宅ホスピス協会会長。名古屋大学医学部特任准教授。昨年、第16回ヘルシー・ソサエティ賞医師部門を受賞。在宅看取りを1500人以上、ひとり暮らしの看取りを99人経験。

取材・構成/池田道大 撮影/政川慎治

※女性セブン2021年1月28日号

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