コロナ収束後に再び問われる真価
では近い将来に訪れるであろう、コロナ収束後もしまむらの好調が続くのかと問われると、個人的には疑問です。
しまむらは全業態合わせて2200店舗ほど出店しており、ファッションセンターしまむらは1430店も出店しています。1店舗当たりの売上高が小さいしまむらは、これまでは店舗数の多さで成長してきました。しかし、今後は新たに出店できる場所も少なくなっているうえに、過剰出店による固定費の増大は収益悪化のリスクを負いやすくなります。
またファッション需要を取り込むことに成功したユニクロ&ジーユーに比べると、しまむらへのファッション需要がそこまで高まっていないことは明らかで、自宅勤務用のホームウェア需要とて、実用品の域にとどまっています。実用品需要は底堅い反面、大きく伸びることは難しいため、今のままの品揃え・店づくりを続けても大幅な売り上げ増や客数アップは見込めません。
とはいえ、ファッション需要を取り込むために従来のコンセプトを大きく変えてしまえば、販管費や固定費がかさみ、しまむらの躍進を支えてきたローコストオペレーション体制が崩れ、収益も悪化しかねません。
そうしたことを考えると、コロナ収束後こそ、しまむらの真価が問われる正念場となるのではないでしょうか。