コロナ禍でも堅調だった郊外の「路面店」
しまむらは、コロナ自粛明けの2020年6月度から月次売上高が前年増に転じました。6月は27.0%増、7月は9.1%増、8月だけは4.5%減の微減となりましたが、9月から12月まで4か月連続で伸ばしています。
9月は11.1%増、10月は20.7%増、11月は11.3%増となっており、感染の再拡大が強まった12月も11.3%増とペースが落ちていません。コロナ前の2019年は売上高減少が続いていたのに、コロナ後は見事に復活したといえます。
しまむらが復活した最大の要因は、各メディアでも指摘している通り「店舗立地」だと考えます。コロナ自粛明け以降は、「密」になりやすい都心店が回避され、郊外店・地方店が好調となりました。都心店に集中していたファッションブランドの落ち込みを見ればそれは一目瞭然でしょう。
アダストリアホールディングスのある関係者は、コロナ自粛明けに「都心店は落ち込んだままだが、郊外店・地方店は前年微減にまで持ち直している」と明かしてくれました。しまむらよりは高い商品が多いですが、マーケットの中では低価格ゾーンと見なされることが多いアダストリアなので、しまむらの好調要因と重ねて見ても差し支えないでしょう。
一方、価格帯は違いますが、都心店に集中していたユナイテッドアローズがいまだにまったく回復できないことを見ても、郊外・地方店の有利性が窺えると思います。
さらにいえば、しまむらの店舗は郊外・地方でもコスト削減の目的からか、ショッピングモールなどの商業施設に入っておらず路面店であることも有利性をさらに後押ししたといえます。デベロッパー側に遠慮することなく、独自の判断で営業できるからです。