ライフ

渋沢栄一フィーバーに沸く埼玉・深谷市 こだわりの赤レンガにアンドロイドも

渋沢栄一のアンドロイド(時事通信フォト)

渋沢栄一のアンドロイド(時事通信フォト)

 歴史上の有名人が主人公になることが多いNHK大河ドラマ。そのため、ドラマ放送前から主役にまつわるイメージがある程度、世間で共有されていることが多い。ところが、2021年大河ドラマ『青天を衝け』の主人公・渋沢栄一には、戦国武将たちのような強いイメージが社会で共有されていない。それだけに、新しく立ち上がる国民的ヒーローへの期待が高まっている。ライターの小川裕夫氏が、生まれ故郷というだけではない縁の強さを持つ埼玉・深谷市が大河ドラマの渋沢栄一に寄せる期待についてレポートする。

 * * *
 2021年のNHK大河ドラマ『青天を衝け』は、資本主義の父とも呼ばれた渋沢栄一が主人公だ。渋沢を演じるのは、若手俳優の吉沢亮さん。91歳で生涯を閉じた渋沢を吉沢さんがどう演じるのかも注目される。それ以上に、500超の企業を興してきた実業家・渋沢がどのように描かれるのかも気になるところだ。

 渋沢が興した企業は、現在も日本の経済界で重要な役割を果たしているものが多い。一例をあげれば、第一国立銀行(現・みずほ銀行)、日本鉄道(現・JR東日本)、抄紙会社(現・王子製紙)、清水満之助商店(現・清水建設)などがある。特定の企業名を全面に出さない風潮が強いNHKにとって、渋沢が興した企業をどう表現するのか興味は尽きない。

 約一年間のロングラン放送だけに、大河ドラマがもたらす地域振興や経済効果は計り知れない。多くの地域・企業が「青天を衝け」の放送に期待する中、埼玉県深谷市は特に強い思いを寄せる。なぜなら、渋沢は現在の深谷市にあたる血洗島で生まれ育ったからだ。

 深谷市は名産品の深谷ネギをはじめ、深谷ネギをツノにしているゆるキャラ「ふっかちゃん」などで市のPRに務めてきた。深谷市がふっかちゃんへ注ぐ愛情は揺るぎないが、それ以上に最近は渋沢のPRに力を入れている。市役所に「渋沢栄一政策課」という部署が設置されていることからも力の入れ具合が窺えるだろう。

「渋沢の生誕地である『中の家』をはじめ、その近くには渋沢栄一記念館といった渋沢とゆかりの深い施設があります。そのほか、近隣にも渋沢に関連するスポットが多く点在しています。昨年には、深谷市出身でドトールコーヒーの創業者でもある鳥羽博道名誉会長から約1億円の寄付があり、それを原資に渋沢栄一のアンドロイドを製作しました。現在、アンドロイドは渋沢栄一記念館で一般公開しています」と話すのは、深谷市渋沢栄一政策推進課の担当者だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

万博で身につけた”天然うるし珠イヤリング“(2025年8月23日、撮影/JMPA)
《“佳子さま売れ”のなぜ?》2990円ニット、5500円イヤリング…プチプラで華やかに見せるファッションリーダーぶり
NEWSポストセブン
次の首相の後任はどうなるのか(時事通信フォト)
《自民党総裁有力候補に党内から不安》高市早苗氏は「右過ぎて参政党と連立なんてことも言い出しかねない」、小泉進次郎氏は「中身の薄さはいかんともしがたい」の評
NEWSポストセブン
阪神の中野拓夢(時事通信フォト)
《阪神優勝の立役者》選手会長・中野拓夢を献身的に支える“3歳年上のインスタグラマー妻”が貫く「徹底した配慮」
NEWSポストセブン
9年の濃厚な女優人生を駆け抜けた夏目雅子さん(撮影/田川清美)
《没後40年・夏目雅子さんを偲ぶ》永遠の「原石」として記憶に刻まれた女優 『瀬戸内少年野球団』での天真爛漫さは「技巧では決して表現できない境地」
週刊ポスト
朝比ライオさん
《マルチ2世家族の壮絶な実態》「母は姉の制服を切り刻み…」「包丁を手に『アンタを殺して私も死ぬ』と」京大合格も就職も母の“アップへの成果報告”に利用された
NEWSポストセブン
チームには多くの不安材料が
《大谷翔平のポストシーズンに不安材料》ドジャースで深刻な「セットアッパー&クローザー不足」、大谷をクローザーで起用するプランもあるか
週刊ポスト
ブリトニー・スピアーズ(時事通信フォト)
《ブリトニー・スピアーズの現在》“スケ感がスゴい”レオタード姿を公開…腰をくねらせ胸元をさすって踊る様子に「誰か助けてあげられないか?」とファンが心配 
NEWSポストセブン
政権の命運を握る存在に(時事通信フォト)
《岸田文雄・前首相の奸計》「加藤の乱」から学んだ倒閣運動 石破降ろしの汚れ役は旧安倍派や麻生派にやらせ、自らはキャスティングボートを握った
週刊ポスト
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《不倫報道で沈黙続ける北島康介》元ボーカル妻が過ごす「いつも通りの日常」SNSで垣間見えた“現在の夫婦関係”
NEWSポストセブン
秋篠宮家の長男・悠仁さまの成年式が行われた(2025年9月6日、写真/宮内庁提供)
《凜々しきお姿》成年式に臨まれた悠仁さま 筑波大では「やどかり祭」でご友人とベビーカステラを販売、自転車で構内を移動する充実したキャンパスライフ
NEWSポストセブン
自身のYouTubeで新居のルームツアー動画を公開した板野友美(YouTubeより)
《超高級バッグ90個ズラリ!》板野友美「家賃110万円マンション」「エルメス、シャネル」超絶な財力の源泉となった“経営するブランドのパワー” 専門家は「20~30代の支持」と指摘
NEWSポストセブン
志村けんさんが語っていた旅館への想い
《5年間空き家だった志村けんさんの豪邸が更地に》大手不動産会社に売却された土地の今後…実兄は「遺品は愛用していた帽子を持って帰っただけ」
NEWSポストセブン