ほとんどの配達員は交通法規を守りマナーも良いのだが……(イメージ、Sipa USA/時事通信フォト)

ほとんどの配達員は交通法規を守りマナーも良いのだが……(イメージ、Sipa USA/時事通信フォト)

 配達員(パートナー)になるとき、「自転車で配達」「原動機付自転車での配達」「軽自動車やバイクでの配達 (125cc超)」の三択で申請するが、登録した車両(ナンバープレートも撮影して送る)以外の配達は認められない。しかし筆者は昨年秋、埼玉の4号線でウーバーバッグを積んだホンダPS250の白ナンバーを見た。もちろん走り過ぎただけなので配達中かは分からない。別に配達中でなければウバッグ積んで普通自動二輪に乗っても個人の自由。自転車登録でスピードが異常だとアプリで警告されるが、下道を走るスピードなど125ccであれ150ccであれ、普通二輪の括りならそれほど変わらないだろう。つまるところ、バレなきゃやりたい放題だ。

「でも最近はバイクの白ナンより車でしょう。しょっちゅう話題になりますよ」

 そして冒頭の白ナンバーの車による配達の話。筆者もたびたび目撃したが、ウーバーイーツの配達員の口から最近聞かれるのがこの白ナンバーの車による配達だ。普通車は二輪同様の緑ナンバー、軽自動車の営業車は黒ナンバーとなる。最近はオリンピック記念ナンバーで軽自動車も白ナンバーが走っているが、営業車はその特例から除外されている。

「ハイエースで外国人二人組でしたね。東南アジアだと思います」

 都下で配達する姿を見たという別のウーバー配達員の話。筆者が見たのはいずれも日本人だったが、配達員の証言では外国人、東南アジア系が多い。それにしても車はどこで調達するのか、そういったコミュニティがあるのか、白ナンバー営業という罪を犯してまで車を使うなんてウーバーの稼ぎを考えたら見合わないと思うのだが ―― 指示役の下で不法滞在者が配達しているとの噂もあるが、こんなのと事故ったらたまらない。それにしてもなぜ車。渋滞に巻き込まれやすいし、狭い都心で車なんて配達に不利では。

「寒いからでしょ、車のほうがあったかいもん」

 新宿御苑にいた別のウーバー配達員の話。彼も地蔵中で寒そう。確かに冬になって目撃したという証言は多い。それはわかるがどう言い訳しても無届けなら犯罪、貨物自動車運送事業法違反だ。「配達パートナーの危険な運転に関するお問い合わせや、不適切な行動などをご報告いただいた場合、お客様からいただく情報に基づいて Uber 内で該当配達パートナーを特定し、注意喚起や適切なアドバイスを行うサポートも取り入れております」と、ウーバージャパンはそういった輩を「お客様相談室」に報告して欲しいと広く一般にも呼びかけている。このシステム、大手通販サイトの業者による評価合戦や工作活動と同様、配達員同士の追い落としや嫌がらせに使われかねない懸念はあるが、一歩前進といったところか。

「でもバカだよね。保険も下りないし、事故ったらヤバいのに」

 そう、違法行為なので万が一の事故ではウーバージャパンの用意した保険はもちろん、個人の任意保険もまず適用されないだろう。自賠責は被害者救済のため適用されるが、大きな人身事故に対応できる額ではない。正直、違法行為をしている配達員など同情する余地もないが、被害者やその遺族が泣き寝入りはあんまりだ。白ナンバー営業を続けるウーバー配達員はどういうつもりなのか。有償運送許可証を取得すれば白ナンバーでも営業できるとうそぶく配達員もいたが(その人自身は原付だったので違法行為はしていない)、あれは現状ではウーバーイーツに当てはまらない。確かにウーバーイーツのようなギグワークで営業申請するなんて現実的ではないが、軽い気持ちで脱法行為を繰り返し、好き勝手な配達をして他人を傷つけることの正当化にはならない。そもそも「万が一」という想像力はないのか。

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