飲食店から商品を受け取る「ウーバーイーツ」の配達員(左奥)。右端と中央手前は待機する配達員。テイクアウトは営業時間短縮にならないため、飲食宅配へのニーズは高い(時事通信フォト)

飲食店から商品を受け取る「ウーバーイーツ」の配達員(左奥)。右端と中央手前は待機する配達員。テイクアウトは営業時間短縮にならないため、飲食宅配へのニーズは高い(時事通信フォト)

「山手通りで見ましたよ、150ccだった。あれは125とサイズ一緒ですから」

 小型スクーターの中にはフレームも外観も同じ、ぱっと見は小型自動二輪(50cc超125cc以下)か普通自動二輪(125cc超)かわからない車種もある。よほどのマニアでない限り、ナンバーの色で判断するしかない。

「店にも車両情報は行きますけど、わかんないんじゃないですかね。白ナンと緑ナンなんて違いも知らない人は多いでしょう。それに店にバイクで入るわけじゃないし、店員も離れたとこに停めたバイクの確認なんかしません」

最近はバイクより車の白ナンバー

 それはそうだろう。ピック先の店には車両情報も伝えられるが、いちいち店を出て車両を確認する店員など少数派だ。多くの店員が運送業法を熟知しているわけでもない。筆者の知人の洋食屋さんいわく。

「ちゃんと配達してくれればいいですよ。端末には(車両情報)出るけど、うち(の店)は3階だし、実際にどんな乗り物で運んでるかなんて確かめたことない」

 そう、店の本音は「運んでくれればいい」だろう。そして客の側も「持ってくればいい」だ。ウーバーイーツは三者三様「知らぬ存ぜぬ」を決め込むことができる。これまでのウーバーイーツによる騒動の元凶は、雇用者も責任者も突き詰めれば「いない」という、徹底してドライな関係志向にある。そして問題うやむやのまま、日本社会にフリーライドしている。

「それにウバッグって別に使わなくていいんですよ。なんか勘違いしてる人いるけど、バッグはなんだっていいんです。”Uber Eats”って表示の必要もないです。だから白ナンで乗ったってウバッグがなきゃ、ぱっと見ウーバーかどうかわかんないです」

“ウバッグ”とはウーバーのバッグを指すスラング。おなじみのバッグだが何度かモデルチェンジをしていて、一時はあのウーバーのロゴのないタイプも販売されていた。そもそもロゴ以前にバッグは何を使ってもいい。ウーバージャパンも配達員にウバッグを推奨しているが強制はしない。あくまで雇用関係はないからだ。配達員は個人事業主でウーバーイーツというマッチングアプリに登録しているだけのこと。むしろアプリという立場のウーバージャパンではなく店や客が配達員の「使用者」だろう。

「ナンバー登録もするけど、写真送るだけですからね。別の車両に乗ってもチクリ以外じゃわかんないでしょう」

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