スポーツ

「運命は自分次第で変えられる」有森裕子が振り返る強運な競技人生

(写真/時事通信社)

一流といわれる有森裕子は何が人と違ったのか(写真/時事通信社)

“運”というと、非科学的なものだと感じる人も多いだろう。しかし、その“運”が生物の進化に関係しているという。

「現代の知の巨人」と称される立命館アジア太平洋大学の学長・出口治明さんは、経済誌のインタビューで「人間や生物の基本原理は、ダーウィンの『進化論』に要約されている」としながら、同書を「進化論のすべては運と適応。運とは、適当なときに適当な場所にいることであり、そこに居合わせたときに、どのように動くかが適応。その繰り返しで生物は進化してきた」と読み解いてみせた。

 生物学者の池田清彦さんも声をそろえる。

「地球に生命が誕生してから38億年の間に生まれた生命のなかには、絶滅したものと生き延びたものがあります。それらは強者だから生き延びたわけでも、弱者だから絶滅したわけでもありません。

 たまたまそのときの環境や、周囲にいた生物がそれらの生存を左右しました。人類が今日まで生き延びることができたのも、たまたま環境に恵まれていたからです」

 人類の祖先であるホモ・サピエンスは30万年前にアフリカ大陸に生まれ、10万年ほど前に新天地を求めてユーラシア大陸に渡った。

「その際、現地にいたネアンデルタール人と、ホモ・サピエンスが交雑して生まれた子の子孫がいまのぼくらです。当時、アフリカに残ったホモ・サピエンスは別として、ユーラシアに渡ってネアンデルタール人と交雑せずに純血を守った人々は、耐寒性遺伝子を持たず、その後の氷河期ですべて滅びましたが、ネアンデルタール人と交雑したホモ・サピエンスはその遺伝子を持っていたので生き延びた。これらもすべて偶然であると同時に、それが運といえるかもしれません」(池田さん)

 つまり私たちは、はるか祖先の幸運の積み重ねによって現代を生きているといえるだろう。

関連記事

トピックス

代理人・バレロ氏(右)には大谷翔平も信頼を寄せている(時事通信フォト)
大谷翔平が巻き込まれた「豪華ハワイ別荘」訴訟トラブル ビッグビジネスに走る代理人・バレロ氏の“魂胆”と大谷が“絶大なる信頼”を置く理由
週刊ポスト
スキンヘッドで裸芸を得意とした井手らっきょさん
《僕、今は1人です》熊本移住7年の井手らっきょ(65)、長年連れ添った年上妻との離婚を告白「このまま何かあったら…」就寝時に不安になることも
NEWSポストセブン
暴力問題で甲子園出場を辞退した広陵高校の中井哲之監督と会見を開いた堀正和校長
《広陵高校、暴力問題で甲子園出場辞退》高校野球でのトラブル報告は「年間1000件以上」でも高野連は“あくまで受け身” 処分に消極的な体質が招いた最悪の結果 
女性セブン
大臣としての資質が問われる(写真/共同通信社)
三原じゅん子・こども政策担当相が暴力団とゴルフ写真の“反社疑惑”にダンマリの理由「官邸は三原氏のことなど構っていられない」
週刊ポスト
薬物で何度も刑務所の中に入った田代まさし氏(68)
《志村けんさんのアドバイスも…》覚醒剤で逮捕5回の田代まさし氏、師匠・志村さんの努力によぎった絶望と「薬に近づいた瞬間」
NEWSポストセブン
お仏壇のはせがわ2代目しあわせ少女の
《おててのシワとシワを合わせて、な~む~》当時5歳の少女本人が明かしたCM出演オーディションを受けた意外な理由、思春期には「“仏壇”というあだ名で冷やかされ…」
NEWSポストセブン
広陵野球部・中井哲之監督
【広陵野球部・被害生徒の父親が告発】「その言葉に耐えられず自主退学を決めました」中井監督から投げかけられた“最もショックな言葉” 高校側は「事実であるとは把握しておりません」と回答
週刊ポスト
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《ずっと若いママになりたかった》子ども好きだった中山美穂さん、元社長が明かした「反対押し切り意思貫いた結婚と愛息との別れ」
週刊ポスト
2023年ドラフト1位で広島に入団した常廣羽也斗(時事通信)
《1単位とれずに痛恨の再留年》広島カープ・常廣羽也斗投手、現在も青山学院大学に在学中…球団も事実認める「本人にとっては重要なキャリア」とコメント
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《ラーメンにウジ虫混入騒動》体重減少、誹謗中傷、害虫対策の徹底…誠実な店主が吐露する営業再開までの苦難の40日間「『頑張ってね』という言葉すら怖く感じた」
NEWSポストセブン
暴力問題で甲子園出場を辞退した広陵高校の中井哲之監督と会見を開いた堀正和校長
【「便器なめろ」の暴言も】広陵「暴力問題」で被害生徒の父が初告白「求めるのは中井監督と堀校長の謝罪、再発防止策」 監督の「対外試合がなくなってもいいんか?」発言を否定しない学校側報告書の存在も 広陵は「そうしたやりとりはなかった」と回答
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 「石破おろし」の裏金議員「入閣リスト」入手!ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「石破おろし」の裏金議員「入閣リスト」入手!ほか
NEWSポストセブン
《高まる中国の軍事的脅威》日中の陸海空の軍事力を徹底比較 日本は海上戦闘や航空戦力では優位を保つも、ミサイル・ドローンでは中国が決定的に優位
《高まる中国の軍事的脅威》日中の陸海空の軍事力を徹底比較 日本は海上戦闘や航空戦力では優位を保つも、ミサイル・ドローンでは中国が決定的に優位
マネーポストWEB