「あつ森」だけがヒットの要因ではない

 筆者が所属するエース経済研究所としては、「WiiU」でとてつもない大敗北を喫した任天堂がここまでの大ヒットゲーム機スイッチを生み出せた要因は、以下の3つほどあると考えている。

(1)非常に優れたプレイスタイルの創出
(2)ゲーム機として馴染むデザイン
(3)適切な新モデルの追加

 特に(1)の要素が大きく、いつでもどこでも誰とでも遊べるスタイルを確立した。一般的には「あつ森」がスイッチの販売を牽引したと認識されているが、あつ森の登場以前、新モデルのスイッチライトが発売された時点で販売が大きく伸びていたことを考えると、それだけがヒットの要因ではないことは明白である。

 また、新型コロナで多くの人がステイホームになったため、自宅のリビングなどでは家族と一緒に大画面で遊べ、自室でも単体で遊べるスイッチは、新しい生活スタイルとの相性が抜群だったと言える。

 昨年、緊急事態宣言が一旦解除され、比較的外出がしやすくなった夏から秋にかけてもスイッチの勢いは全く衰えなかった。以上のことからも、あつ森やコロナ禍の影響というよりは、新しい生活スタイルにスイッチが非常にマッチしていると考えるのが自然である。

今後の販売推移は「新モデル」次第か

 今後、新型コロナの影響がどう推移するかを予測することは筆者には困難であるが、変異種などが出ていることを考えると、2020年以前の生活に戻るにはかなりの時間が必要になると思う。そうなるとこの三密を避ける生活スタイルはスイッチのライフサイクル終盤まで続く可能性も十分にありそうだ。

 一般的には、2021年もスイッチはピークアウトが懸念されるだろうが、これまでゲーム機にまったく興味がなかった層にアプローチが続くのであれば、大きく販売が落ち込む可能性は小さいように思う。

 また、任天堂は2020年2月の経営方針説明会で、「2020年にはスイッチの新型は出さない」と明言したが、逆に言えば2021年以降は新モデルが出てくる可能性もあるということだ。

 過去のゲーム機を見ても、マイナーチェンジを実施しなかったWiiの販売が急激に衰えたのに対して、「DS」「3DS」「PS2」とマイナーチェンジを繰り返したゲーム機は、ライフサイクルが長くなる傾向が出ている。こういったことも考えると、スイッチの販売は、新モデル次第で長期間にわたって高原(横ばい)状態が続けられる可能性もありそうだ。

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