芸能

『ウチカレ』の菅野美穂 嫌味のない明るさはもはやブランドだ

浜辺美波と母娘役を演じる(Getty Images)

浜辺美波と母娘役を演じる(Getty Images)

『うちの娘は、彼氏が出来ない!!』での数年ぶりの連ドラ主演が話題の女優・菅野美穂。彼女の姿を楽しみに、水曜夜を待っているファンも多いようだ。ドラマオタクのエッセイスト・小林久乃氏が、その魅力について考察する。

 * * *
 菅野美穂さんが久々にドラマに主演している。それが『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』(日本テレビ系)で演じる、恋愛小説家の水無瀬碧(みなせ・あおい)役だ。このニュースを知った時に「おお、民放ドラマで菅野美穂が見られる……」とちょっと浮き立ってしまった。

 仕事の現場でも、私生活でも彼女のことを「嫌いだ」という人を聞いたことがない。むしろ皆好きなはずだ。その理由のひとつに菅野さんの演じる“癖のあるキャラ”に強烈なインパクトがあり、魅力的だと感じることを挙げたい。ドラマも話題に上がっているこの辺で、詳しく理由について考えてみたい。

43歳には見えない可愛らしさに“視聴欲”がそそられる

『ウチカレ』の主人公は20代で恋愛小説家としてデビューして、人気を博していた水無瀬碧。シングルマザーだ。変わりゆく時代の変遷についていけず、何を書けばいいのか迷走している。碧がどんなふうに小説家として立ち上がっていくのかが注目ポイント。もうひとつのポイントは碧の20歳になる娘で、マンガオタクの空(浜辺美波)が人生初めての恋をして、彼氏が見つかるかどうか。この母娘の模様を描いたドラマなのだ。

 碧は底なしに明るい、現代言葉でいう“陽キャ”だ。恋愛小説家のはずが感覚を鈍らせているし、ミステリーを書いたらボツ。出版社に作品を売り込もうとすれば失敗。成功の証しとして購入したタワマンのローンも返済が残っている。そんな状況なのに、落ち込んでも必ず60分間の放送時間内に戻ってくる。まるで朝ドラのヒロインのような根性の太さを感じさせる。

 こういう役は演じるのが難しい。一歩踏み外すとたちまち崖へ落下するかのように、視聴者へ“イタい”印象を与えることになりかねない。その惨事をカバーしているのが菅野さんのパブリックイメージと、確かな実力だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト