他にも、逃げ率.250超えは小林凌.254(3着内率.191)、原.254(同.160)、亀田.262。亀田は31勝を挙げて▲を抜け7月から△に昇格。▲亀田の逃げ時の3着内率はちょうど3割。ちなみに山田(逃げ率.197、3着内率.216)も11月から△である。
上記の騎手は「果敢に逃げて、そこそこ持たせられる」。そうデータが教えてくれた。
逃げて、持たせて、粘る。秋山稔、泉谷が先行力のある馬に騎乗するとき、プロ野球の強打者並みの打率で逃げて(なにがなんでも塁に出るイメージかな)、ほぼ4回に1度は馬券に絡むのだった。
逃げ馬狙いでガッカリするのは、「逃げられずに見せ場なし」。結果が悪くとも、4角までワクワクしたいのである。「とにかく前へ!」という減量騎手は期待に応えてくれる。ダメだったとしても、騎手名鑑のボウズ頭を見るとなんか許せるし(笑)。
【プロフィール】
須藤靖貴(すどう・やすたか)/1999年、小説新潮長編新人賞を受賞して作家デビュー。調教助手を主人公にした『リボンステークス』の他、アメリカンフットボール、相撲、マラソンなど主にスポーツ小説を中心に発表してきた。「JRA重賞年鑑」にも毎年執筆。
※週刊ポスト2021年2月12日号