ビジネス

休業協力金6万円は高いか安いか 営業続ける店、休む店の言い分

店舗のシャッターに張り出された休業のお知らせ(イメージ、時事通信フォト)

店舗のシャッターに張り出された休業のお知らせ(イメージ、時事通信フォト)

 新型コロナウイルスの感染拡大によって三度目の緊急事態宣言が発令され、さらに首都圏を中心に1ヶ月の延長も決まった。この宣言によって求められている対策は、果たして庶民の生活を持続させるための知恵を蓄えたものになっているのだろうか。時短営業を求められている飲食業界では、商売を続けるためにあえて営業を続けるという選択をする店舗が増えている。ライターの森鷹久氏が、ギリギリの選択を迫られ続ける飲食店側の懐事情についてレポートする。

 * * *
 東京都下にある某ターミナル駅近くのラーメン店の前には、6人ほどの行列。皆一様に下を向き、道ゆく通行人の怪訝そうな視線から顔を隠しているかのようにも見える。1月下旬、時刻は午後9時を回ったところである。

「飯食うとこないですもん、仕方ないですよ」

 列に並んでいた近くに住むサラリーマン(30代)は声をひそめて言う。年明けに発令された緊急事態宣言の影響で、付近の飲食店は軒並み午後8時までで営業を終えている。時短営業に協力する店舗には、1日あたり6万円の協力金が得られることもあってか、一度目の緊急事態宣言時より多くの店が営業を夜8時までで切り上げている。一方、前述のラーメン店のように「夕食難民」と化した残業帰りのサラリーマンなどが、通常通り営業する一部の飲食店へ殺到している。

「以前は一日100杯ちょい行けば良い方。今は150杯出ることもある。1回目(の緊急事態宣言)に痛い目を見て、今回いくら6万円もらえるからと言っても、もう(時短の)受け入れをするのは難しいかなと思いましたね」

 こう話すのはラーメン店の関係者。実は、一日6万円、一ヶ月180万円の補償金があれば、時短営業でも十分やって行けたかもしれないと続ける。

「家賃、人件費、他の固定費を払い続けるだけなら、日中はお客さんも普通に来てくれますし、正直『得』をしたかもしれません。ただ、休めば客は離れる。1回目(の緊急事態宣言)の時、休んだり時短営業した店のほとんどは、その後の客足が100パーセントには戻っていないんです。だから、時短もしません。今、いくばくかの金を掴まされて休むより、その先のことを考えて営業しているんです」(ラーメン店関係者)

関連記事

トピックス

大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン