国内

電動キックスケーターのウーバー配達員、危険でもバレなければOKなのか

ドイツ・ベルリンのブランデンブルク門前を電動キックスケーターで移動する男性(EPA=時事)

ドイツ・ベルリンのブランデンブルク門前を電動キックスケーターで移動する男性(EPA=時事)

 日本に子供向けのおもちゃとして1970年代にもたらされたキックスケーター(スクーターとも呼ぶ)は、折り畳み式が輸入され始めた2000年前後から若者の間に流行、子供たちにも人気の乗り物となった。2010年代後半になると電動式が世界で普及し、シェアリングサービスで提供されたこともあって欧米だけでなくアジアでもブームとなった。一方、日本では道路交通法との兼ね合いがあり、電動自転車のようにシェアリングサービスで提供される乗り物にはなっていない。個人輸入などで所持している人はいるが、それが合法の範囲で使用されるどうかは所有者の善意に頼っているのが実情だ。俳人で著作家の日野百草氏が、近ごろ、目撃情報が増えている電動キックスケーターによるウーバーイーツ配達員を追いかけた。

 * * *
「自転車風違法電動スクーター(電動キックボード含む)のウーバーを蔵前署、上野署本所署管内で複数目撃しました」(報告者A、原文ママ)

 また電動キックスケーターによるウーバーイーツ配達員(配達パートナー)の目撃報告だ。筆者のメールアドレスには様々な情報が寄せられるが、ウーバーイーツ関連では主に路上でじっと待つ地蔵、無届け車両で営業する白ナン、そして違法車両の3点だ。地蔵に関しては「『ウーバー地蔵』急増 都心の『子連れウーバー』は大丈夫か」、白ナンに関しては「増殖する『白ナンバーのウーバー配達員』はあまりにも危険だ」など執筆してきたが、違法車両、とくに名指しで3件のメール(本稿、報告者はA、B、Cとする)が寄せられている電動キックスケーターについては、筆者自身がこれまで目撃していないこともあり触れて来なかった。それにしてもウーバーの配達員、次から次に何でもありだ。

「ノーヘルで歩道走行もしていました。ウィンカーもライトもありませんでした」(報告者B、原文ママ)

 電動キックスケーター(メーカーによって呼称は変わるが、本稿では電動キックスケーターとする)は、キックスケーターに充電式のバッテリーにモーターで動力をつけた二輪車である。それ自体は違法ではなく、私有地や許された場所で走る分には問題ないし、保安部品を装備した上で自賠責保険に加入し、ナンバーを取得すれば合法である。また最初から公道を走るように作られたとする商品も売られている。

 日本では原動機付自転車(原付1種、以下原付)となり、公道走行のための保安部品(ヘッドライト、ウインカー、ミラー、ナンバー灯、テールランプ、ブレーキランプ、速度計、警音器など)を装備した上で自賠責保険加入、ナンバープレート交付となる。ただし20km制限のリミッターがついたものに限り、速度計やテールランプなどの保安部品が免除される。この条件よりさらにゆるい15km制限のモデルに関しては警視庁がヘルメット無しを認める方向で動いているが、いずれにせよ原付なので免許とナンバープレートの取得は必要だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

Instagramにはツーショットが投稿されていた
《女優・中山美穂さんが芸人の浜田雅功にアドバイス求めた理由》ドラマ『もしも願いが叶うなら』プロデューサーが見た「台本3ページ長セリフ」の緊迫
NEWSポストセブン
トンボをはじめとした生物分野への興味関心が強いそうだ(2023年9月、東京・港区。撮影/JMPA)
《倍率3倍を勝ち抜いた》悠仁さま「合格」の背景に“筑波チーム” 推薦書類を作成した校長も筑波大出身、筑附高に大学教員が続々
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【入浴中の不慮の事故、沈黙守るワイルド恋人】中山美穂さん、最後の交際相手は「9歳年下」「大好きな音楽活動でわかりあえる」一緒に立つはずだったビルボード
NEWSポストセブン
結婚披露宴での板野友美とヤクルト高橋奎二選手
板野友美&ヤクルト高橋奎二夫妻の結婚披露宴 村上宗隆選手や松本まりかなど豪華メンバーが大勢出席するも、AKB48“神7”は前田敦子のみ出席で再集結ならず
女性セブン
スポーツアナ時代の激闘の日々を振り返る(左から中井美穂アナ、関谷亜矢子アナ、安藤幸代アナ)
《中井美穂アナ×関谷亜矢子アナ×安藤幸代アナ》女性スポーツアナが振り返る“男性社会”での日々「素人っぽさがウケる時代」「カメラマンが私の頭を三脚代わりに…」
週刊ポスト
NBAロサンゼルス・レイカーズの試合を観戦した大谷翔平と真美子さん(NBA Japan公式Xより)
《大谷翔平がバスケ観戦デート》「話しやすい人だ…」真美子さん兄からも好印象 “LINEグループ”を活用して深まる交流
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
「服装がオードリー・ヘプバーンのパクリだ」尹錫悦大統領の美人妻・金建希氏の存在が政権のアキレス腱に 「韓国を整形の国だと広報するのか」との批判も
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《私には帰る場所がない》ライブ前の入浴中に突然...中山美穂さん(享年54)が母子家庭で過ごした知られざる幼少期「台所の砂糖を食べて空腹をしのいだ」
NEWSポストセブン
亡くなった小倉智昭さん(時事通信フォト)
《小倉智昭さん死去》「でも結婚できてよかった」溺愛した菊川怜の離婚を見届け天国へ、“芸能界の父”失い憔悴「もっと一緒にいて欲しかった」
NEWSポストセブン
再婚
女子ゴルフ・古閑美保「42才でのおめでた再婚」していた お相手は“元夫の親友”、所属事務所も入籍と出産を認める
NEWSポストセブン
54歳という若さで天国に旅立った中山美穂さん
【入浴中に不慮の事故】「体の一部がもぎ取られる」「誰より会いたい」急逝・中山美穂さん(享年54)がSNSに心境を吐露していた“世界中の誰より愛した人”への想い
NEWSポストセブン