――世代的にジェンダーレスを100%理解するのは難しいのかどうか、娘さんとしては今どんなお気持ちですか?
「まあ、もちろんあの、おっしゃる通り娘からの視点からいえば今のそういうジェンダーレスの話を100%理解するのは年齢的にも難しいかなって。あくまでも83歳の自分の父という視点でみれば、もちろんそうなんですが、たぶん今の立場とかからは、それは許されないことなんだっていうことは、重々、わかっております。なので私たちからはそれしか言えないんです。今はそういう世の中の流れにもなっていますし」
――「娘に叱られた、孫が倒れた」とか報道が出ていましたが?
「もちろん、精神的にもちょっと私の娘のほうが不安定にはなっているかなと思います。それは本人が叱られるというよりも、(孫娘が倒れたことの方が)ショックではあったと思います」
――これだけ批判されると、ご家族は辛い部分もあるのかと思いますが?
「はい。ただ、無責任なことだけはしない人だとは思っていますので。考えもあるのかもしれないですけど。彼の、父なりにというか、今の会長なりに責任あることは考えているとは思いますけど、私から何かを申し上げるということはありません」
――家族から見て、女性蔑視の部分とか感じられることは?
「もちろんそれは全然ないです。女性のほうが全然人数も多いですし。いつももう私たちのほうがもうしゃべって、しゃべるスキを与えないぐらいなので」
――威張ったりすることはないんですか?
「ないです。そんなのは全然ないです。私のほうが全然強いですから、はは」
森氏と付き合いの深いジャーナリストの田原総一朗氏は、森夫妻と3人で食事をした時のエピソードをこう語る。
「森家は完全なカカア天下でした。食事をした時、奥さんは『あなたが総理大臣で東京で偉そうな顔をしている時に、私は地元を最敬礼して回っていたんだ』と言っていましたが、森さんはそれに一言も返せなかった」
家庭での姿勢を外でも貫くことができていたら、こんなことにはなっていなかったのか。