裏で手を回して会長人事を操ろうとする菅首相もまた「密室談合」が大好きな同じ穴のムジナ(時事)

裏で手を回して会長人事を操ろうとする菅首相もまた「密室談合」が大好きな同じ穴のムジナ(時事)

「川淵氏が東京五輪の顔になることで、“あの疑惑”が噴出するのではないかという懸念が官邸にはあったのではないか」

 そう指摘するのが自民党の元国会議員だ。

「日本では大手新聞が五輪スポンサーになっているため、あまり報道も出なかったが、海外では東京誘致に裏金が使われたとさんざん報じられている。この問題は、国内では日本オリンピック委員会の竹田恒和・会長が2019年に辞任して幕引きしているが、このスキャンダルに怒ったのが宮内庁だった」

 宮内庁とは意外なキャストだ。どういうことか。

「東京開催は、滝川クリステルの『お・も・て・な・し』で注目された2013年の国際オリンピック委員会総会で決まったが、実は決め手になったのは高円宮妃 久子さまのスピーチだった。当時、オリンピック招致は政治色を伴うので皇族は関わらせたくないというのが宮内庁の考えだったが、安倍内閣と東京都が押し切ってサプライズで登場してもらった経緯がある。久子さまは流暢なフランス語と英語で委員たちの心をつかみ、貢献は大きかったが、その裏で不正なカネを出していたということなら、皇室に泥をかぶせたことにもなりかねない」(同前)

 川淵氏といえば、久子妃とことのほか親しいことで知られる。2006年には、川淵氏の誕生日を祝したゴルフコンペに久子妃が参加し、コンペ後のパーティーではマリリン・モンローに扮して妖艶なダンスを披露し、川淵氏に「ハッピー・バースデー・トゥ・ユー」の歌をプレゼントしたこともある。これは、マリリン・モンローがケネディ大統領の誕生日にセクシーに歌った逸話を模した演出と思われるが、モンローはケネディ大統領の愛人だったと言われる関係だけに、この誕生会ダンスに「サービス過剰だ」との声も上がった。

 川淵氏が組織委会長に就けば、久子妃との関係が想起される。すると、東京誘致の経緯と裏金疑惑が蒸し返される、というのが一部の与党関係者の心配なのだという。

 森氏は政治家としても失言・暴言の常習犯だったが、川淵氏もまた言動が物議をかもし、毀誉褒貶が激しいことで知られる。これ以上、五輪問題でリスクを取りたくない官邸にとって、「相談役」発言や「院政批判」は川淵氏を切る格好の口実になったのかもしれない。

 だからといって、それは官邸が森院政を排除することにはならない。森氏の後任には橋本聖子・五輪相の名前も挙がっているが、橋本氏は森氏が現職議員時代からのお気に入りで、やはり五輪ムラの住人だ。もし官邸が「女性でありさえすればいい」と考えているなら、それこそが女性蔑視ではないか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《本誌スクープで年内活動辞退》「未成年アイドルを深夜自宅呼び出し」SKY-HIは「猛省しております」と回答していた【各テレビ局も検証を求める声】
NEWSポストセブン
12月3日期間限定のスケートパークでオープニングセレモニーに登場した本田望結
《むっちりサンタ姿で登場》10キロ減量を報告した本田望結、ピッタリ衣装を着用した後にクリスマスディナーを“絶景レストラン”で堪能
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
笹生優花、原英莉花らを育てたジャンボ尾崎さんが語っていた“成長の鉄則” 「最終目的が大きいほどいいわけでもない」
NEWSポストセブン
実業家の宮崎麗香
《セレブな5児の母・宮崎麗果が1.5億円脱税》「結婚記念日にフェラーリ納車」のインスタ投稿がこっそり削除…「ありのままを発信する責任がある」語っていた“SNSとの向き合い方”
NEWSポストセブン
出席予定だったイベントを次々とキャンセルしている米倉涼子(時事通信フォト)
《米倉涼子が“ガサ入れ”後の沈黙を破る》更新したファンクラブのインスタに“復帰”見込まれる「メッセージ」と「画像」
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん
亡くなったジャンボ尾崎さんが生前語っていた“人生最後に見たい景色” 「オレのことはもういいんだよ…」
NEWSポストセブン
峰竜太(73)(時事通信フォト)
《3か月で長寿番組レギュラー2本が終了》「寂しい」峰竜太、5億円豪邸支えた“恐妻の局回り”「オンエア確認、スタッフの胃袋つかむ差し入れ…」と関係者明かす
NEWSポストセブン
2025年11月には初めての外国公式訪問でラオスに足を運ばれた(JMPA)
《2026年大予測》国内外から高まる「愛子天皇待望論」、女系天皇反対派の急先鋒だった高市首相も実現に向けて「含み」
女性セブン
夫によるサイバーストーキング行為に支配されていた生活を送っていたミカ・ミラーさん(遺族による追悼サイトより)
〈30歳の妻の何も着ていない写真をバラ撒き…〉46歳牧師が「妻へのストーキング行為」で立件 逃げ場のない監視生活の絶望、夫は起訴され裁判へ【米サウスカロライナ】
NEWSポストセブン
シーズンオフを家族で過ごしている大谷翔平(左・時事通信フォト)
《お揃いのグラサンコーデ》大谷翔平と真美子さんがハワイで“ペアルックファミリーデート”、目撃者がSNS投稿「コーヒーを買ってたら…」
NEWSポストセブン
愛子さまのドレスアップ姿が話題に(共同通信社)
《天皇家のクリスマスコーデ》愛子さまがバレエ鑑賞で“圧巻のドレスアップ姿”披露、赤色のリンクコーデに表れた「ご家族のあたたかな絆」
NEWSポストセブン
硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将(写真/AFLO)
《戦後80年特別企画》軍事・歴史のプロ16人が評価した旧日本軍「最高の軍人」ランキング 1位に選出されたのは硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将
週刊ポスト