「私がデビューした頃、楽屋で百恵さんが私の髪を巻いてくれたことがあるんです。そのときは『任せて!』といった感じで頼もしかったですよ。当時から、年下なのに、あふれんばかりの包容力があったんです」

 10代の頃からそうしたパワーを持っていた少女は、結婚して家庭に入り、妻となった。

 渡辺が表現するいいバランスを、三浦も自著で似たような表現で記している。

《結婚して31年間、結婚生活が円満に続いている理由を答えないといけないのだとしたらただ一言相性としか言いようがありません。相性の良いパートナーに私は運良く出会ったんです》(『相性』小学館刊より)

 三浦がそのパートナーを得て、百恵さんが引退してから約40年が過ぎた。

 もしも引退していなかったら、百恵さんは誰みたいになっていたのだろうかと先日の引退コンサートの放送を見たファンの中で思った人もいるだろう。

 その答えを渡辺はこう断言する。

「想像してみましたが、どうしても浮かばない。百恵さんは、百恵さん。そして、百恵さんの存在感は時が経つほど、輝きを増しています」

 百恵さんは、引退して約40年を経てもなお、多くの人を魅了し続ける。星が寿命を迎えてもその光だけは残り続けるように、引退するとき、21才の山口百恵が放った、覚悟を秘めた真っすぐな輝きはいまも人々の心を打つ。

※女性セブン2021年3月4日号

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