モノマネ芸人は、他事務所所属の芸人と連携することが少なくないが、八幡も現在、「ババア流星群」なるユニットを組んでいる。メンバーは、浅井企画所属の牧野ステテコ、サンミュージック所属のコンビ「マリア」のイーちゃん&ゆみみ、太田プロ所属の元「麦芽」の鈴木奈都らと「4人になったり、5人になったり。『マリア』は“漫協”(漫才協会)にも入ってて、去年、漫才新人大賞(優勝)を獲ってるんですよ。芸歴20年以上なんですけどね(笑い)」
やはり夢がある仕事なのである。
「そうなんですよ~。よく『つらくない?』『なんで続けるの?』『やめようって思わないんだ』とか言われるんですけど、『やめたくないんですよ』って、いつも即答しちゃうんですよね。そうそう、私、橋本聖子さんも似てると思うんです。残念ながら丸川珠代さんは顔的に無理ですね。橋本さん風の衣装とヅラを揃えて、すぐにYouTubeに上げます」
放送作家という仕事柄、私の考え方はひじょうに“芸人寄り”である。有難いことに、大師匠として地位を築いている人とも、「自分は絶対に売れる」と信じながら、まだその域に達していない人とも仕事をしてきた。そういえば私は、「つらくない?」とか「なんで続けるの?」という質問を彼らにしたことがない。
話を聞き始めて約90分。八幡に対しても、ついにその質問は浮かばなかった。おもしろいことが大好きだということ。常におもしろいことを選択すること。こんなに愉快なことは、やはりないのである。
そして、45歳、女芸人、八幡カオルはたくましかった。何が何でも売れてほしいと思う。