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八幡カオル、コロナ禍で預金残高2799円に それでも芸人やめぬ原動力

小池都知事のモノマネで都庁前に立つ八幡カオル

小池都知事のモノマネで都庁前に立つ八幡カオル

 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、お笑い芸人・八幡カオル(45歳)について。

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 通帳アプリに記された預金残高は2799円…。取材していた男性ディレクターが「え?」と一瞬絶句したのがリアルだった。

 21日放送の『サンデージャポン』(TBS系)が密着したのは45歳の女芸人、八幡カオル。他の芸人同様、コロナ禍でライブなどの仕事が激減し、芸人としての収入は「今月は、ほぼゼロ」。小池百合子都知事就任時の2016年、小池氏のモノマネでプチブレイクしたときには40万円あったという月収も今は15万円ほどだという。登録している派遣会社からの物流センター勤務で得た収入だ。

 1月21日放送の『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の「40歳過ぎてバイトやめられない芸人」を思い出した。出演者の多くが芸人としての収入は限りなくゼロに近く(ゼロという者もいた)、飲食店でのバイトが多い彼らは2度目の緊急事態宣言によって、さらなる打撃を受けていると思われる。それでも芸人をやめようと思っている者は居らず、オーディションで出演が決まった『アメトーーク!』を売れるための大きなチャンスと捉えていた。おかしい? そうかもしれない。売れる人は一握りだとわかってもいる。それでも尊敬する先輩芸人が居る大好きな世界。いつチャンスが来るかもしれない。自分の“笑い”を信じている。何より、この世界が大好きだ…。

 近年、声優を目指す若者の数が激増し、声優人口はかつての4倍の1500人に及ぶのだと聞いた。芸人はその比ではなく7000人以上とも言われている。当然のことながら、本業だけで食べられている者は少ない。

この1年で夢をあきらめた芸人たちも

 21日、『サンジャポ』に初出演した放送作家・小説家で「NSC吉本総合芸術学院」の講師でもある桝本壮志氏によれば、この1年ほどは「相方が借金苦で飛んだ」とか「夢を諦めて実家に帰った」という“芸人の卵”たちが後を絶たないのだとか。もしかすると、諦めがつかないのは30代後半から40代の芸人たちなのかもしれない。

 八幡カオルも同様で、「どこかで何かがあると、私まだできると…」「いつ、お笑いの仕事が再開してもいいよう新ネタを作り続けている」と。そんな彼女の元へ話を聞きに行ってきた。

 小池百合子都知事のほかにも、大坂なおみ選手、「顔が似ている」と言われる(!)上白石萌音や宮崎美子など、“旬の人”のマネをレパートリーにもつ。それだけでも確かに続ける理由はある。

「大坂さんのモノマネは、小坂なおみちゃんが出てきたことで私はちょっと控えていたんです。でも面白くできるのは私のほうなんじゃないかなって(笑い)。上白石さんは『恋つづ』(=『恋はつづくよどこまでも』)とか『ボス恋』(=『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』共にTBS系)とかを研究しているところです。図々しいって思われてもファンの方から叱られても、面白かったらやっちゃいますね」

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