──チームの本拠地の「ファエンツァ」はどのような街でしょう。
本村:とにかくご飯がおいしい! 私はレストランでメニューを読むためにも、イタリア語を頑張っています。私を含め、チームメンバーの多くはファエンツァに住んでいるので、スーパーで同僚にばったり会うなんてこともありますね。この街は「美食ライン」と呼ばれるエリアに位置していて、パスタのボロネーゼソースで知られるボローニャや、生ハムで有名なパルマが近く、少し東に行くと海もあって、何を食べても美味しい街です。
──海外で働く上で、日本人差別あるいはアジア人差別を感じたことはありますか。
本村:先ほどお話ししたように、イギリスではもやっとすることはあったのですが、アルファタウリに来てからはないです。これは、チームの人たちが日本をリスペクトしてくれていることが大きいと思います。ホンダさんとのスポンサーシップがすごくうまくいっているんですね。チームのメンバーは「日本出張が楽しみで仕方ない」という話をよくしていました。コロナ以降は行けていませんが。
新しい環境に踏み出すわけですから、就職するにあたって不安はありました。差別されるかな、という心配もありました。でも、初めて参加したレースのときに、たぶんモンツァだったんですけど、レース後、お腹が空いてホテルの周りをうろうろしていたら、メカニックの、一見コワモテの男性3、4人が車で通りかかって、「新しく入った日本人だろ?」「今からご飯行くよ、乗って!」と、気さくに声をかけてくれたんです。で、めちゃくちゃ美味しいレストランに連れて行ってくれて、緊張がほぐれました。ありがたかったですね。
──イタリアでのF1人気は高いと聞きますが、いかがでしょうか?
本村:モータースポーツの人気はすごいです。車と、バイクも人気ですね。バイクを持っている同僚も多く、愛車の写真を見せ合っては、キャッキャしています(笑)。