元夫とケーキ入刀をする赤堀容疑者(2001年)

結婚式で元夫とケーキ入刀をする赤堀容疑者(2001年)

「碇容疑者の子供がトラブルを起こしたとでっちあげ、『ボスにお願いして解決した』と恩を売ったり、碇容疑者の夫が不倫していると信じ込ませ離婚させた挙句、『不倫調査費をボスが立て替えている』と作り話で彼女を追い込んだのです。その後、生活保護を受給させ、児童手当なども含めほぼ全額を騙し取り、合計は1000万円以上になるとみられています」(地元紙記者)

 赤堀容疑者は支配の強度を盤石なものにするため、碇家に対する食事制限を徹底した。長男にはご飯1杯、次男は半分にして、末っ子だった翔士郎ちゃんには与えないことも。水すら自由に与えなかった結果、亡くなったときの翔士郎ちゃんの体重は10kgほどで、平均体重の半分しかなかった。

 赤堀容疑者の洗脳手法は特殊だと捜査関係者は指摘する。

「洗脳というのは、一般的には暴力などで怖がらせて思考を鈍化させたり、常に行動を共にするもの。ところが今回は、周囲を悪人に仕立てて“私だけが味方”と近づき、ボスという架空の存在をつくって“そのボスを怒らせないように一緒に考えよう”と寄り添うんです。実際に、相談に乗ったり食料を差し入れたりする役もしている。端から見れば親身に世話をしているように映るので、なかなか事件になりにくかったのは事実です」

 赤堀容疑者にボスと呼ばれていた女性に話を聞いた。

「警察に言われるまで、私が“ボス”と呼ばれているなんて、知りませんでした。赤堀のしたことは、聞けば聞くほど腹わたが煮えくり返ります」

 上下スエット姿に金髪の“ボス”が、たばこ片手に語る。

「赤堀が逮捕される数か月前、近所のコインランドリーで偶然出会ったんです。そのときには、すでに警察から赤堀が私の名前を利用していたと聞いていたから許せなくて、『あんた、私の名前を使っているらしいな!』と怒気交じりに言うと『いや、それはあの女(碇容疑者)が……』と責任転嫁を始めるんです。それ以上は言いませんでしたが、蹴りでも一発入れてやりたかったですよ、ほんと」

 赤堀容疑者との出会いは、近所のパチンコ屋だった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン