淺沼さんは涙を流しながら、そう語った。悲しみにはそっと寄り添い、真摯に温かい言葉を投げかけられる。そんな雅子さまのお姿が、国民との距離をぐっと縮めているのだ。
被災地への訪問を続けられる雅子さま(2020年12月、東京・港区=宮内庁提供)
「雅子さまは被災地を訪問される中で、被災者から“体調は大丈夫ですか”“無理をなさらないでください”と声をかけられることもありました。震災当時、雅子さまは“どん底”ともいえるバッシングの嵐の中におられた。ですが、時に涙を見せ、“弱み”さえ見せながらも国民に寄り添われる姿勢が、次第に共感を呼んだのでしょう。
この10年間、雅子さまは自らのスタイルを貫き続け、国民と『励まし、励まされる関係』を築いてこられた。雅子さまの苦難の時期を支えたのは、そうした被災者とのやり取りだったのかもしれません」(皇室ジャーナリスト)
雅子さまと被災地の「再生」の物語は、これからも続く。
※女性セブン2021年3月25日号
雅子さまとともに被災地に心を運ばれてきた天皇陛下(写真/宮内庁提供)