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上皇ご夫妻から令和へ受け継がれた「被災地ご訪問」写真で振り返る

上皇ご夫妻から続く「被災地ご訪問」(時事通信フォト)

上皇ご夫妻から続く「被災地ご訪問」(時事通信フォト)

「東日本大震災については、過去のこととしてではなく、現在も続いていることとして考える必要があることを改めて感じました」

 2011年3月11日に起きた東日本大震災から、今年で10年が経つ。天皇陛下は2月のお誕生日に、震災に対してのご自身のお考えをこう述べられた。

 これまで雅子さまと共に続けてこられた被災地へのご訪問。被災者の言葉に寄り添われ、同じ目線になって耳を傾けられる。そうしたお姿の背景には、平成の御代から連綿と受け継がれてきた「祈りの旅」があった──。

●2011年3月 東日本大震災に関するビデオメッセージ

(写真/宮内庁提供)

(写真/宮内庁提供)

 震災の発生から5日後の3月16日、上皇陛下は約5分半のビデオメッセージを出された。災害に際して、天皇が映像で国民にメッセージを発するのは初めてのことだった。

●2011年3月 東京・足立区

(撮影/JMPA)

(撮影/JMPA)

 被災者約290人が身を寄せる東京武道館へのご訪問が、震災後初のお見舞いだった。上皇ご夫妻は一人ひとり丁寧に声をかけられたという。

●2011年3月 東京・足立区

(撮影/JMPA)

(撮影/JMPA)

 東京武道館に避難した被災者をお見舞いされる上皇ご夫妻。冷たい床に膝をつき、お話しされる「ご訪問スタイル」は、これまでの天皇皇后にはなかったものだ。

●2011年5月 埼玉・三郷市

(撮影/JMPA)

(撮影/JMPA)

 両陛下は約200人の被災者が避難する埼玉県の市民センターで、1時間半の予定より1時間以上延長し、被災者を励まされたという。なかには「話してよかった。生きる力をもらいました」と涙ぐむ人も。

●2011年5月 埼玉・三郷市

(撮影/JMPA)

(撮影/JMPA)

 上皇ご夫妻と同じく、両陛下も膝をつかれ目線の高さを合わせてお話しされる。両陛下が上皇ご夫妻を尊敬され、そのやり方を踏襲されていることがうかがえる一枚。

●2011年5月 福島・相馬市

(時事通信フォト)

(時事通信フォト)

 津波の爪痕が残るがれきの山を前に深々と黙礼をされる上皇ご夫妻、天皇皇后両陛下。被害状況の説明に、1つ1つしっかりと耳を傾けられていたという。

●2011年6月 宮城県・気仙沼市

(時事通信フォト)

(時事通信フォト)

 雨の中で被災地を視察され、気仙沼市長から説明を受けられる秋篠宮ご夫妻。

●2021年3月 岩手県へ「オンライン行幸啓」

(写真/宮内庁提供)

(写真/宮内庁提供)

 震災からの復興状況を聞くため、両陛下は岩手県の被災者らとオンラインで交流された。コロナ禍で現地訪問が難しい中でも、新しい形で被災者との交流を続けられている。

撮影/雑誌協会代表取材 写真/宮内庁提供、時事通信社

※女性セブン2021年3月25日号

2014年3月 東日本大震災三周年追悼式(撮影/JMPA)

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2011年6月 宮城・岩沼市(撮影/JMPA)

2011年6月 宮城・岩沼市(撮影/JMPA)

2011年8月 岩手・大船渡市(時事通信フォト)

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2011年7月 宮城・石巻市(時事通信フォト)

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