芸能

コロナ感染した溝渕雅幸監督「密着ドキュメンタリーは撮り続けたい」

溝渕雅幸監督はコロナ禍の新たな表現様式をどう考える?(イメージ)

溝渕雅幸監督はコロナ禍の新たな表現様式をどう考える?(イメージ)

 ソーシャルディスタンスを守り、飲食店は20時で閉店する──映画を作る者は、そんなリアルな世界を撮るべきなのか? コロナ禍の新たな表現様式について映画監督の溝渕雅幸氏が語った。

 * * *
 ここ10年ほど取材テーマを「終末期医療」に絞って、ドキュメンタリー映画を撮っています。医師や患者に密着して撮影しますから、作品のなかではコロナ禍の世界も映し出されます。

 昨年発表した『結びの島』という映画では、瀬戸内海の山口県周防大島で診療所と介護施設を営む医師・岡原仁志さんにスポットを当てました。

 岡原先生の持論は「密なコミュニケーションが医療効果を高める」です。患者やその家族とのハグを習慣にし、愛とユーモア溢れる診察を患者一人ひとりにしています。世の「密を避けよ」と逆行する医療スタイルですが、先生のその信念を脚色することなくありのまま撮影しました。

 コロナ禍で医療現場を撮影するハードルは高まっています。映画の撮影を2本控えているのですが、ひとつはご時世的に無理だということで延期されました。

 私は一般の方でも「実名でモザイクなし」で出演してもらうことを信条にしているのですが、「コロナなのにそんな取材を受けて」といった批判を気にされてか、なかなか了承してもらえないケースも増えています。それは当然のことだと思いますが、これからも粘り強く取材を重ねていきたいと思っています。

 実は私も昨年8月にコロナに感染しました。発症から退院までの18日間を経て、メディアを通じてしか知らなかったことを身をもって理解することができた。今後はこの経験も踏まえながら、コロナ禍における終末期医療を追っていきたいと思っています。

※週刊ポスト2021年3月19・26日号

関連記事

トピックス

国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
国民に「リトル・マリウス」と呼ばれ親しまれてきたマリウス・ボルグ・ホイビー氏(NTB/共同通信イメージズ)
ノルウェー王室の人気者「リトル・マリウス」がレイプ4件を含む32件の罪で衝撃の起訴「壁に刺さったナイフ」「複数の女性の性的画像」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
「タダで行為できます」騒動の金髪美女インフルエンサー(26)が“イギリス9都市をめぐる過激バスツアー”開催「どの都市が私を一番満たしてくれる?」
NEWSポストセブン
ドバイのアパートにて違法薬物所持の疑いで逮捕されたイギリス出身のミア・オブライエン容疑者(23)(寄付サイト『GoFundMe』より)
「性器に電気を流された」「監房に7人、レイプは日常茶飯事」ドバイ“地獄の刑務所”に収監されたイギリス人女性容疑者(23)の過酷な環境《アラビア語の裁判で終身刑》
NEWSポストセブン
Aさんの乳首や指を切断したなどとして逮捕、起訴された
「痛がるのを見るのが好き」恋人の指を切断した被告女性(23)の猟奇的素顔…検察が明かしたスマホ禁止、通帳没収の“心理的支配”
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
【七代目山口組へのカウントダウン】司忍組長、竹内照明若頭が夏休み返上…頻発する「臨時人事異動」 関係者が気を揉む「弘道会独占体制」への懸念
NEWSポストセブン