芸能

脚本家・尾崎将也氏「マスク姿の取り調べには緊迫感がない」

脚本家・尾崎将也氏はコロナ禍の新たな表現様式をどう考える?(イメージ)

脚本家・尾崎将也氏はコロナ禍の新たな表現様式をどう考える?(イメージ)

 ドラマや映画において、どこまで現実を反映させるかは難しいところ。登場人物がマスクを着け、ソーシャルディスタンスを守り、飲食店は20時で閉店する──そんなリアルな世界を描くべきか、はたまた創作は自由であるべきか。コロナ禍の新たな表現様式について『結婚できない男』や『梅ちゃん先生』の脚本家・尾崎将也氏が語った。

 * * *
『東京地検の男』(テレビ朝日系、3月24日放送)という検察官が主人公のドラマの脚本を昨年8月から9月にかけて書きました。スタッフとの打ち合わせ段階ではドラマを“コロナありの世界にするか、なしにするか”で悩みました。

 私はコロナありでチャレンジしてみたかった。そちらのほうが現実を反映したリアルなものになると思ったからです。しかし、映像になったものを想像してみると、登場人物がずっとマスクをしているのは違和感だらけですし、検事が取り調べをするシーンも“緊迫感”という一番のリアリティが欠ける。結論としては“コロナウイルスが存在しない世界観”で行くことになりました。

 いまはキスシーンが出てくるようなロマンティックなラブストーリーもコロナ禍を反映させながら描くのは難しいところがあると思います。

 ただ、キスシーンができなくなったとしてもキスの表現ができないわけではない。たとえば、夜、屋外で二人が見つめ合うところから、部屋で一緒に朝を迎えるシーンまで時間を飛ばせば、その間のところでキスをしているんだろうな、と思わせることができます。

 携帯電話が普及し始めた1990年代初頭に、「携帯があると恋愛のすれ違いが起こらなくなるから、ラブストーリーが作りにくくなる」と言われましたが、結局今でも様々な形で作られている。恋愛の悩みはすれ違い以外にいくらでもあるわけで、ドラマのネタが尽きることはなかった。コロナ禍で表現が制限されるというのは、甘えかもしれませんね。

※週刊ポスト2021年3月19・26日号

関連記事

トピックス

立ち上げから7周年を迎える「新しい地図」
もうすぐ8年目、広がり続ける「新しい地図」のエンターテインメント 音楽、舞台、映画、テレビ、CM、おせちのプロデュース…果敢なチャレンジの数々
女性セブン
7月28日、DeNA戦に7安打無四球で3年ぶりの完封。9回に続投を志願して現役最多の22度目の完封勝利を飾り、菅野はマウンドでガッツポーズ
最多勝目前の巨人・菅野智之、完全復活の秘密 西本聖氏は「新たな菅野が誕生した」と絶賛、同級生・小林誠司とのコンビ復活も安心感に
週刊ポスト
セクシー女優と不倫した人気配信者・加藤純一
《目撃証言》「白いワンピースの女性と5つ星ホテルに……」セクシー女優と不倫の人気配信者・加藤純一(39)が謝罪配信で認めた「ハワイ旅行」現地でファンが目にした光景
NEWSポストセブン
20日早朝、新宿・歌舞伎町内のホテルから飛び降り亡くなったAさんとB子さん(本人SNSより)
【歌舞伎町ホテル転落死】「また同じ場所で若い男女が…」AさんとB子さんが出入りしていたトー横界隈、特殊詐欺事件に加担した過去
NEWSポストセブン
物件探しデートを楽しむ宮司アナと常田氏
《そろそろ入籍では?》フジ宮司愛海アナ 恋人のバイオリスト・常田俊太郎氏と“愛の巣探し”デート
NEWSポストセブン
復帰作にあたる舞台が公演中止になった前山剛久(インスタグラムより)
《神田沙也加さんの元恋人》前山剛久の復帰舞台、会場側は“上演中止”発表に驚き「聞いていません」
NEWSポストセブン
写真を見せると「出会いが多いから…」と話した眞鍋氏
《破局後に即ブロック》バレー女子日本代表監督・眞鍋政義氏、不倫相手に「チームの内部情報」を漏洩か「あいつはあれと付き合ってんねん」 本人は不倫を否定
NEWSポストセブン
ヤマハ発動機の現社長の日高祥博氏(時事通信フォト)
〈ヤマハ発動機社長を娘が切りつけ〉関係者が明かした日高社長の素顔「バイク野郎で大企業の社長っぽくない。家をあけることが多かったのかな」 海外通エリート社長は足下の家庭で……
NEWSポストセブン
バレーボール女子日本代表監督の眞鍋政義氏が“火の鳥不倫”か(時事通信)
《合宿先で密会不倫》バレー女子日本代表・監督つとめた眞鍋政義氏が女性トラブル、コート外で見せていた別の顔
NEWSポストセブン
殺人と覚醒剤取締法違反の罪に問われた須藤早貴被告
「YouTubeで過去事例を検索」“紀州のドン・ファン殺人公判”で明らかになった55歳年下元妻・須藤早貴被告の海外志向 逮捕で断たれたドバイで生活する「夢」
NEWSポストセブン
殺人と覚せい剤取締法違反に問われている須藤早貴被告
【有名な男優に会いたかった】ドンファン元妻・須藤早貴被告と共演した「しみけん」が明かす「彼女が面接シートに書いていたこと」
週刊ポスト
桂ざこばさんとの関係が深い沢田研二
【深酒はしなかった】沢田研二の「京懐石で誕生日会」にザ・タイガースのメンバーが集結!ただし「彼だけは不参加でした」
NEWSポストセブン
【1本30万円の出品も】サントリー100周年記念で社員に配られた「非売品ウイスキー」の高額転売騒動、広報部は「当社としては遺憾です」
【1本30万円の出品も】サントリー100周年記念で社員に配られた「非売品ウイスキー」の高額転売騒動、広報部は「当社としては遺憾です」
マネーポストWEB