国内

出所直後のヤクザが風呂で見せる 「すぐわかる」行動パターン

(写真は公式HPより)

話題を集める『すばらしき世界』(写真は公式HPより)

 体験取材を得意とする女性セブンの名物記者、“オバ記者”こと野原広子が、世の中の気になることに独自の視点でゆるく意見をする。今回は、映画『すばらしき世界』についてのお話です。

 * * *
『すばらしき世界』を観てきた。映画を観るのは10年ぶりだ。

 法務省のお役人で元刑務官の知人が「刑務所のシーンがすごくリアル。よく調べてるなと感心しました」と熱く語るから観る気になったの。

 いやいや、こんなに気持ちよく泣ける映画ってあったかしら。と、映画通でもない私が言うのもナンだけど、客の誰ひとり、本編が終わっても席を立たないのよ。というより、動けない。

 それにしても、主演の役所広司の裸体の見事なことね。全裸シーンが「え、また?」ってくらい出てくるんだけど、背中からお尻にかけてのラインがこんなに美しい65才っているかしら。

 殺人罪を犯して13年服役していた三上(役所)が出所して、紆余曲折のあげく、古巣のヤクザの親分に会いに九州へ飛ぶと、大歓迎の親分は言う。

「ひとっ風呂浴びて、さっぱりしてきんしゃ」

 ん? 墨が入った体で健康ランドにでも行くの?と思う間もなく、半端な大きさの浴槽にザバーンッ! そこに若い女と一緒に入ってて、壁にはエアマットが立てかけられている。それで、あぁ、ここはソープランドね、とゆっくりわかる仕掛け。

 刑務所から13年ぶりに出てきた主人公がソープランドに行くのは、まあ、元ヤクザだから「だろうな」と思うけど、いまさっきお金を挟んで出会った、ワケあり同士がからみ合わせた手と手のシーンに胸が熱くなった。本来なら男女の濡れ場になるところを、西川美和監督はしみじみした人情話にしているの。

 それを支えたのが、役所広司のぜい肉のついていない裸! もし65才のリアルな裸を見せられたら、“忍び寄る老い”なんて別のことを考えちゃって、ストーリー台なしだって。

 そうそう。テレビプロデューサー役の長澤まさみと、親分の妻役のキムラ緑子のヤクザっぷりも見ものよ。これも女性監督だから描けた女の一面だな、と感心しちゃった。

 と、見どころいっぱいの映画で泣きに泣いたけど、泣きながらずっと、2才上の昔の女友達のことを思い浮かべていたの。

 実は私、出所直後のヤクザがソープランドでどう振る舞うか、ちょっとだけ知っているんだ。といっても、私が20代の頃だから、かれこれ40年も昔の話だけどね。

 当時、ひょんなことから現役のソープ嬢・K子さん(当時28才)と仲よしになった。で、私が駆け出しのライターと知ると、会うたびに彼女はいろんな内部事情を教えてくれたのよ。

関連記事

トピックス

どんな役柄でも見事に演じきることで定評がある芳根京子(2020年、映画『記憶屋』のイベント)
《ヘソ出し白Tで颯爽と》女優・芳根京子、乃木坂46のライブをお忍び鑑賞 ファンを虜にした「ライブ中の一幕」
NEWSポストセブン
相川七瀬と次男の凛生君
《芸能界めざす息子への思い》「努力しないなら応援しない」離婚告白の相川七瀬がジュノンボーイ挑戦の次男に明かした「仕事がなかった」冬の時代
NEWSポストセブン
俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
世界が驚嘆した大番狂わせ(写真/AFLO)
ラグビー日本代表「ブライトンの奇跡」から10年 名将エディー・ジョーンズが語る世界を驚かせた偉業と現状「リーチマイケルたちが取り戻した“日本の誇り”を引き継いでいく」
週刊ポスト
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
豪雨被害のため、M-1出場を断念した森智広市長 (左/時事通信フォト、右/読者提供)
《森智広市長 M-1出場断念の舞台裏》「商店街の道の下から水がゴボゴボと…」三重・四日市を襲った記録的豪雨で地下駐車場が水没、高級車ふくむ274台が被害
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
アニメではカバオくんなど複数のキャラクターの声を担当する山寺宏一(写真提供/NHK)
【『あんぱん』最終回へ】「声優生活40年のご褒美」山寺宏一が“やなせ先生の恩師役”を演じて感じた、ジャムおじさんとして「新しい顔だよ」と言える喜び
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト