3月16日に行われた芸能生活60周年記念公演の一幕。左から弟子の林家きく姫、春風亭小朝、木久扇、息子の木久蔵、春風亭昇太

3月16日に行われた芸能生活60周年記念公演の一幕。左から弟子の林家きく姫、春風亭小朝、木久扇、息子の木久蔵、春風亭昇太

 もう一つ、壊したものがある。それは落語家の経済観念だ。好きな言葉が「入金」だと語るように、商売気を隠そうとしない。一時期は「落語よりラーメン屋の方がおもしろい」と『木久蔵ラーメン』店の経営に夢中になり、全国に27店舗を持つまでになった。

「うちの師匠は大成しても家賃1万円の長屋に住んでいた。芸人の世界は、清貧をよしとする文化がある。でもね、貧乏って人間の体によくないと思うんです」

 60周年記念公演の締めのひと言が振るっていた。

「65周年は、もうすぐそこです。私、また儲けたいと思います」

 あっぱれ、である。

【プロフィール】
林家木久扇(はやしや・きくおう)/1937年、東京・日本橋生まれ。1960年に3代目桂三木助に入門。翌年、8代目林家正蔵門下に移り、林家木久蔵となる。1973年に真打に昇進し、2007年に木久扇を襲名。『笑点』(日本テレビ系)には1969年からレギュラー出演。放送55年目を迎える人気番組を、現役最年長メンバーとして牽引してきた。3月16~17日に東京・明治座で「芸能生活60周年記念公演」を行なった。

取材・文/中村計、撮影/惠原祐二

※週刊ポスト2021年4月9日号

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