一方、北朝鮮当局は昨年11月、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、それまでの「緊急検疫態勢」を「最高レベルの緊急検疫態勢」にアップグレードした。そんななか、鴨緑江に面している平安北道義州郡トップの朝鮮労働党義州郡党委書記は、適切な対応をとらなかったことから、「最高指導者の尊厳のある命令に背いたという『犯罪』のために粛清された」と、同道当局者がRFAに明らかにした。
同当局者は「義州郡の党委書記も検疫担当者も彼らのできることはすべて行っていたが、彼らは金正恩朝鮮労働党総書記から命じられた検疫体制を整えるのに十分な人員や資金を持っていなかった。郡の検疫当局は、軽度の症状を持つ患者には自宅で療養するよう指示し、重症患者は検疫センターに入院させるように郡トップに進言した。しかし、必要な治療を受けさせることもできず、死なせることが多かったため、やむなく自宅療養を命じた。これが金総書記の命令に違反したとして銃殺されたのが真相だ」と語っているという。