中島の影響で芸名をひらがなの「みゆき」にしたというお笑いタレントの鳥居みゆき(40才)はこのように話す。
「ずっと『ファイト!』は応援歌だと思って聴いていて、確かにその通りなんですが、あるとき『がんばれ』とは言っていないなと気がつきました」
新型コロナウイルスの感染拡大により、生活様式の変化を余儀なくされ、心を病む人も少なくない。そうした人たちにとって、《がんばれ》という励ましは逆効果になることはよく知られている。
「昔はもっと熱血タイプの応援歌だと思っていたのですが、いま聴くと、『逃げてもいいんだよ』『弱い自分でもいいんだよ』と、肯定してくれる歌なんだと思えて、気が楽になりました」(鳥居)
中島の曲の楽しみ方を、鳥居が最後に解説する。
「こちらのエネルギーが満タンになっているとき。もしくは負のエネルギーが満タンのときですね。どれかは絶対に、自分とぴったり合う曲があるはずだから、それに出会うまで聴いてほしいです。そして、他人の解釈に必要以上に耳を傾けることなく、自分が感じたままでいてほしい」
誰かから提示される正解はいらない。思い思いの解釈を信じればいい──。
「中島みゆきを聴いて感情が動く」。その行為自体が、「大人の女の生き方」なのかもしれない。(敬称略)
※女性セブン2021年4月15日号