自分

“1に体力、2に自分を好きでいること~~”と語ったことも(昨年8月)

 言葉と音を組み合わせた歌を届けながら、それ以外の要素を排除することで、図らずとも彼女の歌の魅力を際立たせているようだ。しかし中島自身は、常にファンを魅了し続ける言葉について、肯定的でもあり、否定的でもある。前出とは別のインタビューで《言葉に限界があるってことを認めたうえでも、言葉が好き》と語っている。

 例に挙げるのは青空だ。

《私が見ているのとまったく同じ青空をあなたにも見せるってところが完成地点ではないんです。それは洗脳だもの。青空の中には私は私の思い入れがある、あなたはあなたの思い出がある。その2つが混じったとき、また違った青空が生まれるかもしれない》

《同じじゃないものが交わるから、新しいものがそこに生まれる、それを楽しみたいんです》(『ダ・ヴィンチ』2010年11月号)

 中島が作品について深く語ろうとしないのは“洗脳”ではなく、ファンと自分、もしくはファンと曲の交わりによって織りなされたことで生まれる新しい発見を、中島自身も楽しみたいからなのかもしれない。

 中島の紡ぐ糸を「小説。歌詞が小説みたいですよね」と表現するのは前出の上柳だ。おおたわもその言葉の連なりからたびたび、具体的なビジュアルをイメージするという。

「リアルでいて繊細なディテールのある中島さんの言葉からは、ドラマの情景が浮かびます。季節は秋、時間帯は夜で雨が降っているんだろうなとか、このせりふを言っているのはきっと、こんな髪形でこんな服を着た女性なんだろうとか、そういった映像が想像できるのです」

 7才の頃、中島の曲が入ったカセットテープを姉からもらって聴いたのが出会いだったというのは、フリーアナウンサーの小島慶子(48才)だ。小島も、中島の描く女性像に思いを巡らせてきたという。

「あまり幸せそうな女性は出てこないんですよね。男性とうまくいかなかったり、未練があったり。でもどこかに、そんな女性に対する“労りのまなざし”のようなあたたかみが感じられます。悲しいときは悲しんでいいし、そんな聴き手を、歌いながら抱きしめる優しさが中島さんの歌にはあります」

 こうした聴き手の自由な解釈は、時代、そして、聴き手の置かれた環境によっても変わる。

関連記事

トピックス

大谷翔平を支え続けた真美子さん
《大谷翔平よりもスゴイ?》真美子さんの完璧“MVP妻”伝説「奥様会へのお土産は1万5000円のケーキ」「パレードでスポンサー企業のペットボトル」…“夫婦でCM共演”への期待も
週刊ポスト
「横浜アンパンマンこどもミュージアム」でパパ同士のケンカが拡散された(目撃者提供)
《フル動画入手》アンパンマンショー“パパ同士のケンカ”のきっかけは戦慄の頭突き…目撃者が語る 施設側は「今後もスタッフ一丸となって対応」
NEWSポストセブン
結婚を発表したPerfumeの“あ~ちゃん”こと西脇綾香(時事通信フォト)
「夫婦別姓を日本でも取り入れて」 Perfume・あ〜ちゃん、ポーター創業の“吉田家”入りでファンが思い返した過去発言
NEWSポストセブン
村上宗隆の移籍先はどこになるのか
メジャー移籍表明ヤクルト・村上宗隆、有力候補はメッツ、レッドソックス、マリナーズでも「大穴・ドジャース」の噂が消えない理由
週刊ポスト
(写真右/Getty Images、左・撮影/横田紋子)
高市早苗首相が異例の“買春行為の罰則化の検討”に言及 世界では“買う側”に罰則を科すのが先進国のスタンダード 日本の法律が抱える構造的な矛盾 
女性セブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン
佳子さまの「多幸感メイク」驚きの声(2025年11月9日、写真/JMPA)
《最旬の「多幸感メイク」に驚きの声》佳子さま、“ふわふわ清楚ワンピース”の装いでメイクの印象を一変させていた 美容関係者は「この“すっぴん風”はまさに今季のトレンド」と称賛
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が真剣交際していることがわかった
水上恒司(26)『中学聖日記』から7年…マギー似美女と“庶民派スーパーデート” 取材に「はい、お付き合いしてます」とコメント
NEWSポストセブン
ラオスに滞在中の天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《ラオスの民族衣装も》愛子さま、動きやすいパンツスタイルでご視察 現地に寄り添うお気持ちあふれるコーデ
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン