「平成の時代ではついに実現しなかった『天皇の訪韓』ですが、上皇陛下の“韓国を訪れたい”というお気持ちは強かったといわれています。ご夫妻は戦争の当事国であるサイパンやパラオ、フィリピンに足を運ばれる『祈りの旅』をライフワークとされていました。そんな中で、いまだ訪問が実現できていない韓国は、祈りの旅の“悲願の地”ともいわれるほどに重要な存在なのです」(別の宮内庁関係者)
訪韓最大のチャンスとされた2002年のサッカー日韓W杯のときでさえ、実現には至らなかった。そのとき、上皇ご夫妻の胸にはさまざまな思いが去来したことだろう。
いまの天皇陛下も、韓国を訪問されたことはない。
「2015年、韓国で開催された『世界水フォーラム』に、同フォーラムの名誉総裁を務めたことのある陛下が招待されました。韓国側は、日韓の関係改善への糸口として、陛下のご出席を模索していた。陛下自身も、訪韓に強い意欲を見せられたそうです。
しかし、万一の事態の警護問題と政治的状況などの理由から、当時の安倍晋三首相率いる政府は韓国側の申し出を拒否。そうして陛下の訪韓にはブレーキがかけられたのです」(外交関係者)
今回、侍従長となった別所氏は当時、大使として在韓。陛下の訪韓に向けて動いた日本側の責任者の1人という立場だった。陛下が抱かれたであろう忸怩たる思いを、別所氏も同様に抱いたのではないだろうか。
奇しくも、その別所氏が両陛下の最側近として、いまはすぐ横に控えている。現在、世界各国を新型コロナの被害が襲い、そう簡単に海外を訪れることはできない状況にある。両陛下も、昨年春に予定されていた英国訪問を延期された経緯がある。
「残念なことに、コロナの被害が拡大する中でワクチンの囲い込みなどが行われ、世界は分断が進んでいます。そうした折に、両陛下がこれまで実現できなかった訪韓を果たされれば、時代にはびこる閉塞感を打ち破ることができるのではないでしょうか。日本や韓国だけでなく、世界的にも大きな影響があるはずです。
それは、雅子さまが皇后として外交力を発揮され、日本や世界の雰囲気を変えられることにほかなりません。世界を股にかけて活躍されるのは、雅子さまが皇室に入られる前から目指されていたことでもあるでしょう。同時に、上皇陛下とともに祈りの旅を続けられながらも、訪韓は果たせなかった美智子さまも、期待を寄せられていることだと思います。
今後、東アジア地域の外交ルートに幅広い人脈を持つ新しい側近のサポートを受け、訪韓実現に向けて大きく進むはず。雅子さまのご活躍の幅も、さらに広がるのではないでしょうか」(皇室関係者)
雅子さまと“先輩”侍従長の活躍が期待される。
※女性セブン2021年4月22日号