コンビニエンスストアで売られるドリップコーヒー(イメージ、時事通信フォト)

コンビニエンスストアで売られるドリップコーヒー(イメージ、時事通信フォト)

 いまやコンビニの仕事は複雑多岐に渡る。昔のコンビニバイトとは随分と違う。20世紀の感覚のまま、上目線というのもあるのかもしれない。

「そうそれ、昔はのんびりしたもんだったからね。学生時代にやってましたって50歳過ぎの男がバイトをしたいと来たけれど、覚えることもやることも多すぎるって辞めちゃったよ。脱サラ自営で仕事がなくて生活の足しにって始めたクチさ。うちは外国の人ほとんどいないけど、あれなら若い外国人のほうが優秀かもね」

ごっそり持っていかれた、コンビニくじ万引き

 久保田さんのコンビニ経営歴は長い。これまで万引きなど珍しくもないだろうが、コロナ禍で変わったことはあったのか。

「とくにないね、万引きするヤツはコロナ関係なくやるよ。そうねえ、昔は漫画とか多かったけど店にあまり置かなくなったから減ったね。最近だと”くじ”かなあ。景品ごっそりもってかれたこともあるよ」

 いわゆる”コンビニくじ”というものか。期間限定で店内の商品が貰えるスピードくじの類いではなく、人気アニメやゲームのキャラクターグッズが当たるくじのほうだ。確かに店先に並ぶ景品は魅力的なグッズが多い。ちなみに、久保田さんによれば犯人は男女関係ないのではという。

「誰でも知ってる有名なのが人気だけど、俺もよく知らない女の子の絵とか、イケメンの絵とかのオタクっぽい景品のほうが熱心なマニアがいて、バンバンくじ引いてくれるから助かるよ。でも万引きもそっちが多い」

 誰でも知ってる有名なの、の固有名詞やくじの総称はコンビニチェーンが特定されるので端折らせてもらうが、久保田さんも60代なのでジャンプ作品くらいはわかる。しかしライトノベル原作やソーシャルゲーム原作の深夜アニメ、キャラクターとなるとちんぷんかんぷんだ。それでも熱心なマニアが引いてくれるため助かる反面、そういった作品は熱心さが高じてか転売で高値が期待できるからか万引きも多いという。

「出来心で一個二個じゃなく、ごっそり持ってく奴もいた。そんなに欲しいのかね、勘弁して欲しいよ」

 出来心でも犯罪だが、長くやってると万引きなんて店の日常過ぎて変な話だが慣れてしまうという。ただ年齢的に仕方のない話かもしれないが、オタクが犯人という先入観は尚早だろう。とくに興味もなく、ただフリマアプリで売る目的の一般人も多い。それでも久保田さんは現行犯か、よほどの被害でもなければ警察には通報しないという。

「警察の取り調べに時間とられたくないからね。年がら年じゅうごっそりもってかれるならともかく、知らないうちにちょこちょこ持ってかれるのがほとんどだからね。誤認でもあったら大変だし」

 常習はしっかりカメラで確認しているそうだが、だからといって入店拒否というわけにもいかない。高価で貴重な”くじ”でこれなのだから、コーヒーの小サイズに大の量をガブ入れなんていちいちかまってられないということか。

「店にもよるんだろうけどね、厳しいとこは警察に通報しまくってるんだろうけど、うちは繁華街の店(コンビニ)ほど被害はないしね。ほんとうんざりだけど」

関連記事

トピックス

問題は小川晶・市長に政治家としての資質が問われていること(時事通信フォト)
「ズバリ、彼女の魅力は顔だよ」前橋市・小川晶市長、“ラブホ通い”発覚後も熱烈支援者からは擁護の声、支援団体幹部「彼女を信じているよ」
週刊ポスト
米倉涼子を追い詰めたのはだれか(時事通信フォト)
《米倉涼子マトリガサ入れ報道の深層》ダンサー恋人だけではない「モラハラ疑惑」「覚醒剤で逮捕」「隠し子」…男性のトラブルに巻き込まれるパターンが多いその人生
週刊ポスト
新聞・テレビにとってなぜ「高市政権ができない」ほうが有り難いのか(時事通信フォト)
《自民党総裁選の予測も大外れ》解散風を煽り「自民苦戦」を書き立てる新聞・テレビから透けて見える“高市政権では政権中枢に食い込めない”メディアの事情
週刊ポスト
ソフトバンクの佐藤直樹(時事通信フォト)
【独自】ソフトバンクドラ1佐藤直樹が婚約者への顔面殴打で警察沙汰 女性は「殺されるかと思った」リーグ優勝に貢献した“鷹のスピードスター”が男女トラブル 双方被害届の泥沼
NEWSポストセブン
女性初の自民党総裁に就いた高市早苗氏(時事通信フォト)
《高市早苗氏、自民党総裁選での逆転劇》麻生氏の心変わりの理由は“党員票”と舛添要一氏が指摘「党員の意見を最優先することがもっとも無難で納得できる理由になる」 
女性セブン
出廷した水原一平被告(共同通信フォト)
《水原一平を待ち続ける》最愛の妻・Aさんが“引っ越し”、夫婦で住んでいた「プール付きマンション」を解約…「一平さんしか家族がいない」明かされていた一途な思い
NEWSポストセブン
公務に臨まれるたびに、そのファッションが注目を集める秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
「スタイリストはいないの?」秋篠宮家・佳子さまがお召しになった“クッキリ服”に賛否、世界各地のSNSやウェブサイトで反響広まる
NEWSポストセブン
司組長が到着した。傘をさすのは竹内照明・弘道会会長だ
「110年の山口組の歴史に汚点を残すのでは…」山口組・司忍組長、竹内照明若頭が狙う“総本部奪還作戦”【警察は「壊滅まで解除はない」と強硬姿勢】
NEWSポストセブン
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
巨人を引退した長野久義、妻でテレビ朝日アナウンサーの下平さやか(左・時事通信フォト)
《結婚10年目に引退》巨人・長野久義、12歳年上妻のテレ朝・下平さやかアナが明かしていた夫への“不満” 「写真を断られて」
NEWSポストセブン
国民スポーツ大会の総合閉会式に出席された佳子さま(10月8日撮影、共同通信社)
《“クッキリ服”に心配の声》佳子さまの“際立ちファッション”をモード誌スタイリストが解説「由緒あるブランドをフレッシュに着こなして」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 電撃解散なら「高市自民240議席の激勝」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 電撃解散なら「高市自民240議席の激勝」ほか
NEWSポストセブン