国内

コンビニコーヒー、小カップに大の分量を注ぐ客にオーナーは

コンビニで入れ立てコーヒーを買ってテイクアウト(イメージ)

コンビニでいれたてコーヒーを買ってテイクアウトする客は多い(イメージ)

 このところ数ヶ月おきに報じられている、コンビニのセルフコーヒーで、支払った金額よりも大きいサイズの分量を注ぐ事件。公務員だったため懲戒処分を受けたり、逮捕されたりする事例だが、実際にはニュースにはなっていない同様の事件が各地のコンビニで発生しているらしい。俳人で著作家の日野百草氏が、「みみっちい」客や万引きにメンタルを削られると嘆くコンビニオーナーの胸のうちを聞いた。

 * * *
「小さいサイズで買って大きいサイズ入れるとか、そういう客見ると、メンタルやられるんだよね」

 東京下町、古くからのコンビニオーナー、久保田直雄さん(60代・仮名)に話を伺うことができた。思ったより広いバックヤード、商品のダンボールに囲まれた折りたたみテーブルに案内される。

「数十円の損でも損だからね、でもそれ以上に、なんかうんざりするんだよ、みみっちいというか、情けないというか」

 オーナーと同年代、筆者がお世話になっている方からの紹介。当初は取材のつもりはなかったが、久保田さんの愚痴は興味深い。すっかり定着したコンビニのセルフ式コーヒーマシン、あの小のカップに大の量を入れる猛者がいるというのか。

「いるよ。だって入っちゃうもん」

 なるほど、余裕はないが入れられないことはないらしい。もちろんサイズが一緒なら他の高い飲み物も余裕で入れられる。当たり前だが「犯罪」である。罪状は強いてあげれば窃盗罪、あるいは詐欺罪だろうか。

「そうなんだけど、犯罪って言ってもね、間違ったと言われればそれまでだし、わかんなかったとかね。わざとらしくてうんざりだ」

 コンビニ大手3社の基本コーヒーサイズはセブンイレブンがR(レギュラー)とL(ラージ)で、ファミリーマートとローソンがS(スモール)とM(ミディアム)となっているが、本稿ではそれぞれ大と小とする。

「でも、コーヒーの量増やしただけで警察なんて呼んだことないね」

 確かに、警察も通報されれば動くし事情は聞くかもしれないが故意かどうかはわからない。まして罪は罪でもあまりに微罪、起訴されるとも思えない。

「レジからは一応わかるんだけどね、忙しいとか、面倒だから声掛けしないこともあるよ」

 それほどに久保田さん曰く「みみっちい」数十円の話、いったいどんな連中なのか。

「俺が知る限りこれまで3人くらいかな、そんなに多いわけじゃない。ぜんぶ男だね。それも40代とか50代のサラリーマン、ちゃんとスーツ着てるような連中だ。コーヒーに限らず、スーツ着たサラリーマンの態度が一番悪い。ストレス溜まってんだろうね。あとコンビニの店員を見下してる。長くやってるとわかるんだよ」

関連記事

トピックス

山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン