3児の母の大渕愛子さん。長男が小学校の入学式を迎え、準備に奔走した(写真/大渕さん提供)
一方で気がかりな調査もある。東北大学加齢医学研究所所長の川島隆太さんが5才から18才まで224人の脳発達を3年にわたって観察した結果をひもとくと、ネットの使用時間が長い子供ほど大脳皮質の発達が遅かったという。川島さんはこの結果について、「スマホが破壊していたものは、『学力』ではなく、『脳』そのものであった可能性が高い」とコメントした。実際に現場からもこんな声が上がっている。
「ネット関係のルールは家庭によりまちまちで、小2でも1日5〜6時間使っている子もいます。私の印象では、そういう子は規則を守ることが苦手で字がきれいに書けず、がまん強さがなくて授業に集中できません。
親の教育方針もあるのでなかなか口出しできませんが、子供のすぐ近くに電子機器があると睡眠不足にもなりやすいため、デジタル機器を使いながら授業を進めつつも心配な気持ちになります」(前出・公立小学校教員)
現代の小学生が成長し、いつしか社会生活を送るうえで、デジタル機器なくして活躍はままならないだろう。うまく活用する術を教えつつ、それと同時に弊害をどう取り除くのか、しばらく模索は続く。
※女性セブン2021年4月22日号