2018年8月、カナダ・トロントで母親と鍼灸クリニックに向かう羽生

2018年8月、カナダ・トロントで母親と鍼灸クリニックに向かう羽生

「もともと彼は世界選手権への出場すら迷っていました。喘息持ちということもありますが、自分が出場することでファンやメディア関係者が押し寄せ、そこでコロナ感染が起きてしまったら大変なことになる。オーサーコーチによれば、GPシリーズのNHK杯(2020年11月)への出場は羽生選手自身が望まなかったそうです」(スポーツジャーナリスト)

 世界選手権はコロナ対策のため無観客で開催され、「バブル方式」と呼ばれる完全隔離体制が敷かれた。これは、開催地を大きな泡ですっぽり覆うようにして選手や関係者と外部との接触を遮断するシステムで、ホテルと試合会場がつながっていて、その間の行き来だけしかできない。食事も選んだメニューが部屋の前に置かれるスタイルで、人との接触はほとんどない状態だった。

「完全な対策をとっていたにもかかわらず、世界選手権では3人の陽性者が出てしまった。不安なのは国別対抗戦もスターズ・オン・アイスも有観客で行われることです。世界選手権を見ればわかるように、どんなに徹底しても感染者が出てしまう可能性がある。それでも羽生選手が出場を決めたのは、よほどの思いがあるからではないでしょうか」(前出・スポーツジャーナリスト)

東北の皆さんとの約束

 羽生選手はこれまではアイスショーなどへの出演を避ける傾向があった。

「五輪や世界選手権のように、シーズンの目標としてそこに向けてピークを合わせるわけではないので、けがなどの様子も見ながら、いいパフォーマンスができる状態にないときは、出場を辞退するようにしていたようです」(別のフィギュアスケート関係者)

 だが、今年の「スターズ・オン・アイス」は羽生選手にとって、絶対に欠場できないものなのだという。

「特に強い思いを寄せているのが、八戸公演です。八戸公演は昨年4月に多目的アリーナ『FLAT HACHINOHE(フラット八戸)』のこけら落としで行われるはずでしたが、コロナの影響で延期を余儀なくされてしまった。

 フラット八戸は東日本大震災で大きな被害を受けた青森県八戸市、ひいては東北全体の復興を象徴する施設。自らも被災者であり、復興支援に力を注いできた羽生選手としては、東北の皆さんとの約束を果たすためにも、“開催されるなら、絶対に出る”という強い思いがあるのでしょう」(前出・フィギュア関係者)

 八戸公演は、東北地方の県民を対象にチケットが先行販売されている。羽生選手が出演するとなれば、東日本大震災からの復興を象徴するイベントとして、大いに注目を集めることは間違いない。

 もう1つ、羽生選手には「勝負師として狙いがある」との見方もある。4回転アクセルの挑戦の場を少しでも増やすことだ。羽生選手は徐々に手ごたえをつかみ始めているという。12日に放送された『報道ステーション』(テレビ朝日系)で、松岡修造(53才)が4回転アクセルへの挑戦について聞くと、こう答えた。

「昔はがむしゃらに、3回転アクセルの延長線上で頑張ってやれば回れるんじゃないかみたいな感じがあったんですけど、最近“4回転アクセルは跳び方が違うんだな”ということを感じ始めました。

 その跳び方がやっと4回転アクセルらしくなってきたんですよね。だから別物のジャンプとしていまは考えていて、やっとその段階までいけたなというふうに思っています。絶対にやってやるんだという気持ちはあります」

関連記事

トピックス

北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま入学から1か月、筑波大学で起こった変化 「棟に入るには学生証の提示」、出入りする関係業者にも「名札の装着、華美な服装は避けるよう指示」との証言
週刊ポスト
藤井聡太名人(時事通信フォト)
藤井聡太七冠が名人戦第2局で「AI評価値99%」から詰み筋ではない“守りの一手”を指した理由とは
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
アメリカから帰国後した白井秀征容疑(時事通信フォト)
「ガイコツが真っ黒こげで…こんな残虐なこと、人間じゃない」岡崎彩咲陽さんの遺体にあった“異常な形跡”と白井秀征容疑者が母親と交わした“不穏なメッセージ” 〈押し入れ開けた?〉【川崎ストーカー死体遺棄】
NEWSポストセブン
赤西と元妻・黒木メイサ
《赤西仁と広瀬アリスの左手薬指にペアリング》沈黙の黒木メイサと電撃離婚から約1年半、元妻がSNSで吐露していた「哺乳瓶洗いながら泣いた」過去
NEWSポストセブン
元交際相手の白井秀征容疑者からはおびただしい数の着信が_(本人SNS/親族提供)
《川崎ストーカー死体遺棄》「おばちゃん、ヒデが家の近くにいるから怖い。すぐに来て」20歳被害女性の親族が証言する白井秀征容疑者(27)の“あまりに執念深いストーカー行為”
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁のほっぺたを両手で包み…》田中圭 仲間の前でも「めい、めい」と呼ぶ“近すぎ距離感” バーで目撃されていた「だからさぁ、あれはさ!」
NEWSポストセブン