イヤミスを書こうとしたらぜんぜん怖くならなかった

 弁護士という仕事に憧れてめざしたわけではなくても、仕事を通して尊敬できる先輩弁護士に出会えたという。

「弁護士の仕事っていうのは、弱い人を助けることじゃないんですよね。弱い人も強い人も等しく法の保護の下に権利を持っている。たとえば自分は弱くて相手は強いと思っていても、相手も同じことを思ってたりするのが現実です。現実にははっきり線が引けません。そういうところが面白いし、弁護士の仕事のしどころなんだと私は思っています」

 麗子のようにはっきりものを言えないという新川さんだが、「能天気なぐらいネアカで前向き」なところは共通しているそうだ。

「デビュー前にイヤミスを書こうとしたこともあるんですけど、ぜんぜん怖くならなくて。あれは特殊技能ですね。でもいつかは書けるようになりたいです」

 デビュー作の大ヒットで、他社からも執筆依頼が次々と来ているそうだ。『元彼の遺言状』の続篇はすでに書き終え、秋ごろの刊行をめざして手直しをしている段階だ。

「次回作には、新しいキャラクターも出てきますし、弁護士ってふだん何してるの?というところも描かれると思います。読者が好奇心を持って追いかけて読むものはミステリーだと私は広くとらえているので、これからは弁護士もの以外でも、いろんな作品を書いてみたいですね」

【プロフィール】
新川帆立(しんかわ・ほたて)/1991年生まれ。アメリカ合衆国テキサス州ダラス出身、宮崎県宮崎市育ち。現在は東京都在住。東京大学法学部卒業後、弁護士に。第19回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、本作でデビュー。

取材・構成/佐久間文子

※女性セブン2021年4月29日号

関連記事

トピックス

三浦瑠麗(本人のインスタグラムより)
《清志被告と離婚》三浦瑠麗氏、夫が抱いていた「複雑な感情」なぜこのタイミングでの“夫婦卒業”なのか 
NEWSポストセブン
オフの日は夕方から飲み続けると公言する今田美桜(時事通信フォト)
【撮影終わりの送迎車でハイボール】今田美桜の酒豪伝説 親友・永野芽郁と“ダラダラ飲み”、ほろ酔い顔にスタッフもメロメロ
週刊ポスト
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン