寄り添い歩く夫妻
「仕事を再開した後も、“夫や子供に任せきりにするわけにはいかない”と、地方の仕事などは避けるようにしていましたが、高内さんが仕事をしやすい環境をつくり、支えてくれたそうです。
松坂さんがいないときは義母に1日3食を作ったり、車椅子を押して散歩に連れて行ったりと、それはもう頭が下がるくらいの献身ぶり。松坂さんは途中から“人に任せることが大切”と割り切って積極的に介護サービスも使うようになり、仕事で長く家を空けるときは、ヘルパーさんや看護師さんの手配も高内さんがしていたようです」(前出・松坂の知人)
松坂が『まんぷく』や今年1月放送のスペシャルドラマ『おもひでぽろぽろ』(ともにNHK)などに出演できたのは、かつて両親が結婚を大反対し、責め続けた夫のサポートがあってこそだった。だが、昨年からの新型コロナの感染拡大は、介護に甚大な影響を与えた。
「お世話になっていた訪問ヘルパーさんが来ることができなくなり、デイサービスを受けられなくなるなど、心身ともにストレスがかかる日々が続いていたそうです」(前出・松坂の知人)
自宅で介護を続ける松坂にとっても「何かあっても母を病院につれて行けない」といった不安が募っていたという。
一方でコロナ禍は、彼女に「かけがえのない時間」を与えてくれた。
「コロナの影響で、昨年4月頃からドラマなどの撮影が約半年にわたってストップしたため、久しぶりに家でゆっくり過ごす時間が取れたみたいです。その間、つね子さんの好きな料理を作ったり、家の片づけをしていて昔の思い出の品を見つけたりして、ゆっくり向き合うことができたそうです。
その後、ポツポツと仕事が入り始めたときは、仕事を受けていいものかどうか迷ったようですが、『まんぷく』のときにお母さんが“行っていらっしゃい”と言ってくれたことを思い出し、夫のサポートを受けて仕事を再開する決断をしたそうです」(前出・松坂の知人)
松坂の事務所に事実を確認すると、次のようにコメントした。
「家族に見守られながら安らかに天寿をまっとういたしましたことをご報告させていただきます」
かつて結婚に反対し続けた娘の夫が支えたつね子さんの晩年。英明さんもつね子さんも草葉の陰から仲睦まじい家族の様子を安堵して見つめているに違いない。
※女性セブン2021年5月6・13日号