国内

5月以降に日本で承認、モデルナ製ワクチンの副反応「モデルナアーム」とは

モデルナのワクチン(写真/時事通信社)

モデルナ製のワクチン(写真/時事通信社)

 4月12日から日本国内でも高齢者向けの新型コロナウイルスワクチンの接種が始まった。現在日本で唯一接種されているのは、米ファイザー製のワクチン。5月以降に米モデルナ製ワクチンが承認される見込みだ。

 モデルナ製のワクチンは、ファイザー製と同じmRNAタイプだ。米・ボストン在住で内科医の大西睦子さんはモデルナ製を2回接種した。

「1回目は接種から数時間後、接種した腕に少し重みを感じましたが、翌日に回復しました。2回目は接種翌日に倦怠感がありましたが、その次の日にはすっかり治りました」(大西さん)

 モデルナ製で注目されるのは、「モデルナアーム」と称される副反応だ。

「ワクチン接種から5~9日後に、注射した部位に赤い発疹が生じる副反応です。モデルナ製ワクチン接種者の95%に起こったことから、『モデルナアーム』と呼ばれます。発疹は腕だけでなく全身に生じることもありますが、3~4日で消失して健康に害はないとされます」(国際医療福祉大学病院内科学予防医学センター教授の一石英一郎さん)

 欧州を中心に激しい議論を巻き起こしたのは、英アストラゼネカ製のワクチンだ。

「接種後に深刻な血栓症が発症したことから、欧州医薬品庁(EMA)は4月上旬にアストラゼネカのワクチンと、血栓の症例が関連しているとの見解を示しました。以降、欧州各国で接種の見直しが進みました」(大西さん)

 すでにドイツ、イタリアなどが年齢制限に踏み切り、デンマークは使用を完全に中止した。

 承認に向け、日本で治験が進む「第4のワクチン」が米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製ワクチンだ。

「アストラゼネカと同じウイルスベクターワクチンで、アメリカでは18~48才まで6人の女性が接種後に血栓を伴うまれな障害を発症して、1人が死亡。これを受け、米当局はJ&Jワクチンの接種中断を勧告しました」(大西さん)

 米国立アレルギー感染症研究所所長は、警告または制限つきの再開を示唆している。

 一連の副反応報告を踏まえ、医療ジャーナリストの鳥集徹さんが指摘する。

「ワクチンはメーカーによってタイプが異なり、有効性や副反応も違います。それほど異なるワクチンを実際に接種する人が選べないのは大きな問題です。しばらく待てば国産や安全性の高いワクチンが出てくる可能性もある。焦らず安全性や有効性を見極めて、ワクチンを打つか、打たないかを決めるべきです」

 最後に決断を下すのは、あなた自身なのだ。

※女性セブン2021年5月6・13日号

関連記事

トピックス

志村けんさんが語っていた旅館への想い
《5年間空き家だった志村けんさんの豪邸が更地に》大手不動産会社に売却された土地の今後…実兄は「遺品は愛用していた帽子を持って帰っただけ」
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《木漏れ日のなかベビーカーを押す海外生活》眞子さん、苦渋の決断の背景に“寂しい思いをしている”小室圭さん母・佳代さんの親心
NEWSポストセブン
自殺教唆の疑いで逮捕された濱田淑恵被告(62)
《信者の前で性交を見せつけ…》“自称・創造主”占い師の濱田淑恵被告(63)が男性信者2人に入水自殺を教唆、共謀した信者の裁判で明かされた「異様すぎる事件の経緯」
NEWSポストセブン
米インフルエンサー兼ラッパーのリル・テイ(Xより)
金髪ベビーフェイスの米インフルエンサー(18)が“一糸まとわぬ姿”公開で3時間で約1億5000万円の収益〈9時から5時まで働く女性は敗北者〉〈リルは金持ち、お前は泣き虫〉
NEWSポストセブン
原付で日本一周に挑戦した勝村悠里さん
《横浜国立大学卒の24歳女子が原付で日本一周に挑戦》「今夜泊めてもらえませんか?」PR交渉で移動…新卒入社→わずか1年で退職して“SNS配信旅”を決意
NEWSポストセブン
「第42回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
《ヘビロテする赤ワンピ》佳子さまファッションに「国産メーカーの売り上げに貢献しています」専門家が指摘
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《総スカン》違法薬物疑惑で新浪剛史サントリー元会長が辞任 これまでの言動に容赦ない声「45歳定年制とか、労働者を苦しめる発言ばかり」「生活のあらゆるとこにでしゃばりまくっていた」
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《エプスタイン事件の“悪魔の館”内部写真が公開》「官能的な芸術品が壁にびっしり」「一室が歯科医院に改造されていた」10代少女らが被害に遭った異様な被害現場
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、インスタに投稿されたプライベート感の強い海水浴写真に注目集まる “いいね”は52万件以上 日赤での勤務をおろそかにすることなく公務に邁進
女性セブン
岐路に立たされている田久保眞紀・伊東市長(共同通信)
“田久保派”の元静岡県知事選候補者が証言する “あわや学歴詐称エピソード”「私も〈大卒〉と勝手に書かれた。それくらいアバウト」《伊東市長・学歴詐称疑惑》
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「少女を島に引き入れ売春斡旋した」悪名高い“ロリータ・エクスプレス”にトランプ大統領は乗ったのか《エプスタイン事件の被害者らが「独自の顧客リスト」作成を宣言》
NEWSポストセブン
東京地裁
“史上最悪の少年犯罪”「女子高生コンクリート詰め事件」逮捕されたカズキ(仮名)が語った信じがたい凌辱行為の全容「女性は恐怖のあまり、殴られるままだった」
NEWSポストセブン