草なぎにLINEを送ったエピソードも明かしてくれた
山田:(爆笑)熊谷さんがディレクターを務めていらした番組のコメンテーターをさせていただいていました。20年前くらいになるかしら。“年代物”の話ばかりで恐縮ですが、中島さんと吾郎サンも、吾郎サンが20代の頃からのおつきあいですよね。
稲垣:そうだね。中島さんには、いつも本当にやさしい眼差しで見守っていただいてると思います。ぼくが24才のとき、つかこうへいさんの『広島に原爆を落とす日』に出させていただいたときからだから約四半世紀だね(注・中島さんが座付作家を務める「劇団☆新感線」主宰の、いのうえひでのりさんが演出)。
原爆を落とす男の役と今回の死刑執行人とは通じるものがあるのかもしれません。“あてがき”というのとは異なるかもしれないけれど、ぼくが演じるサンソンを描いてくださっているという想いがすごく伝わってくるんです。中島さんがつむぎ出す言葉は強いから、気持ちがいい。見得を切れるしね。
サンソンが刑を執行したのは約3000人。中島さんがおっしゃっていたことですごく印象に残るのは、「ギロチンは現代社会でいうネットなのかな」という言葉。香取(慎吾)クン(44才)の“指殺人”(主演ドラマ『アノニマス~警視庁“指殺人”対策室~』・テレビ東京系)じゃないですけど、よかれと思って研究者や技術者たちが世の中のために作ったものが悪い方へ傾いてしまうことがあるよね。
限られた資料の中ではあるけれど、いまやるからこそ、現代社会に訴えかけられるような、共感していただけるような作品になればと思ってます。
そして音楽の三宅さん! ぼくは“三宅ワールド”が大好きで、普段から家でもよく聴いているんです。『No.9』は、ベートーヴェンの楽曲がベースになって、そこをアレンジしていただいていたんですけど、今回は三宅さんのオリジナルなので。面白いですよ〜、音楽も。あの時代にマッチしているようでマッチしていないような部分もあるし、ジャズのトランペットみたいな音が流れてきたと思ったら、中世のチェンバロとか、バッハみたいなバロック音楽が流れてきたりするんです。
あ、ちょっと話しすぎちゃったかな?(笑い)とにかく音も楽しんでいただけます。