加藤氏に6点をつけた屋山氏は、「秀才だが、弱さを感じる。他に総理にふさわしい政治家がいなければ、加藤が浮上」と指摘する。“消去法の総理候補”ということだ。
同じく安倍抜擢組では西村氏もコロナ対応で右往左往。「官僚出身で政策はわかっているが、ちょこまかしすぎ」(小林氏=2点)、下村氏は総裁選への出馬意欲満々だが、「まだ子分のようなポジション。新聞記者に威張ることが多いが、周りに威張る政治家は親分になれない」(屋山氏=3点)と評価は低い。
評論家の小沢遼子氏は4人とも「0点」の大辛採点だった。
「彼らは安倍政権時代には国民ではなく安倍さんに顔を向けて政治をする『安倍の僕』だったが、今もコロナ対策への姿勢は国民に寄り添っているとは思えない」
菅首相に総裁選で敗れた石破茂・元幹事長と岸田文雄・前政調会長は、国民からも“過去の人”と思われている。だが、現職大臣らの総理候補の評価が低いため、相対評価が高くなった。
合計点1位は総裁選4連敗の石破氏だ。
「経験と勉強量ではナンバーワン。人柄も言われるほど悪くないが、政治家との付き合い方では柔軟性に欠けるのが嫌われる要因」(泉氏=7点)
「安倍政権時代に、安倍イエスマンにならずに自分が信じる行動を取った。その結果、自民党内では少数派になったが、安倍時代のような貧富の格差を広げる政治ではなく、国民が毎日の生活に困らないためにはどうするかという考え方が期待できる」(小沢氏=7点)
だが、屋山氏は党内の支持が広がらない致命的な原因をこう指摘する。
「防衛や憲法改正では自分の考え方にこだわり、意固地になりすぎて融通が利かない。そのため石破グループの勢力は小さくなっている」(2点)
小林氏も同意見だ。
「総理になるには他派閥の協力が必要だが、モノをはっきり言いすぎて他派が協力しづらい状況をつくっている。政権戦略が見えない」(5点)