さらに、左手でスマホを持ち、笑みを浮かべながら、右手で長い髪をいじっている写真も数枚掲載されていた。この仕草の意味を、FBIスパイ防止活動特別捜査官だったジョー・ナヴァロ氏が書いた『FBI捜査官が教える「しぐさ」の実践解読時点407』(河出書房新書)から読み解くと、女性が髪をいじるのは自分をなだめる行動であり、上機嫌の時かストレスを感じている時だという。葬儀当日であり、県警の捜査もあったとなれば、それ相応のストレスがあったことは推測できる。だが髪をいじりながらの笑顔は彼女が上機嫌であったと感じさせるものだ。
歯を見せて笑い、髪の毛を後ろになびかせるように触っている写真もあった。髪をいじっている手のひらは自分の顔の方ではなく、外側を向いている。ナヴァロ氏によると、女性が手のひらを外に向けて髪をいじる時は、快適であり満足して自信を持っているサインだという。
確かに、どこか得意気な印象を与える写真でもある。夫が亡くなったことに満足し、気分が良かったのだろうか。だとすれば、世間体を考えることなく、この表情を露わにするほど強い「満足」や「自信」といった感情が湧き上がっていたようにも読み取れ、底知れぬ怖さを感じた。「やはり容疑者が!?」と思えてくるのだ。
県警は、須藤容疑者が覚醒剤を入手したと考えていると発表し、入手ルートの裏付けを進めているという。容疑者の認否は明らかにされていない。だが、真実が明らかになる日は近づいている。