「一見、選手思いの発言のように聞こえますが、1億5000万円だった年俸がネックになったのでしょう。ずっと一線で活躍してきた選手なら誰だって、レギュラーで出ることに強い意識を持っていますよ。たしかにロペスの成績は落ちていましたが、2019年には31本塁打、84打点を挙げている。また、代表も認めているように、特に外国人選手はロペスの助言を頼りにしており、コーチとしての役割も果たしていた。数字に現れない貢献度の高さは、もっと重んじられてしかるべきだったと思います」
今季、コロナ禍で来日が遅れた外国人選手は、まだ波に乗り切れていない。オースティンは徐々に本来のバッティングを取り戻しつつあるが、ソトは打率1割台と不調から抜け出せていない。
「ロペスがいれば、チーム状態は変わっていたと思いますよ。入団テストから加入したソトがいきなり本塁打王を取れたのも、ロペスが相手投手の特徴や配球、日本で生き残る術を教えた面は大きかったでしょう。
これまた代表が言うように、ロペスはムードメーカーの役割も果たしていた。試合前に選手と戯れあうなど陽気な一面があり、沈んでいるチームのムードを変える雰囲気を持っている。今のチームにも桑原将志という明るい選手がいるが、レギュラー争いの渦中で、自分の調子が上がらない中で、ムードメーカーにはなりにくい。
いっそのこと、今からでもDeNAはロペスと再契約したらどうか。レギュラーでは出られなくても、貴重な右の代打として使えるし、チームの精神的支柱にもなれるし、選手へ技術的なアドバイスもできる。一石三鳥です。年俸をケチっている場合ではありませんし、シーズン途中の今契約すれば、低額で抑えられるというメリットもあるでしょう」
「こんな時にロペスがいれば……」。DeNAファンの間でもしばしば口にされることだが、解雇した37歳のベテラン外国人選手の名前が挙がるほど、DeNAが暗黒の状況にあるのは間違いないだろう。