プライベートも今は練習漬けの日々
余談ながら書いておこう。野球を離れれば、どこにでもいる今どきの大学1年生。スーパールーキーにもプライベートの時間はある。
現在は神奈川県相模原市の相模原キャンパス内にあるグラウンドに隣接する合宿所で生活し、授業も同キャンパスで履修する。入学試験と入学式は青山キャンパスで行われたため、生まれて初めて渋谷駅に降り立った。コロナ禍とはいえ、人の多さとに圧倒されてしまったという。
今も試合で神宮球場に行くたびに、都心の建物をバスの中から見上げてしまう。
「僕の実家は岐阜のそんな田舎のほうじゃないんですけど、圧倒されましたね」
と真顔で言う。現在は感染予防もあって、外食はおろか、外出もままならない。時間があれば、チームメイトと自主練習で身体を動かす毎日。
「練習でストレスを発散している感じです」と笑うが、東京出身のチームメイトと、シーズンオフになったらいろんなレジャースポットを案内してもらう約束をしているらしい。
コロナの終息が本当に待ち遠しい。
(敬称略)
青山学院大学野球部のスーパールーキー、佐々木泰選手
●取材・文/矢崎良一(スポーツライター)
【プロフィール】
1966年山梨県生まれ。出版社勤務を経てスポーツライターに。細かなリサーチと“現場主義”でこれまで数多くのスポーツノンフィクション作品を発表。著書に『元・巨人』(ザ・マサダ)、『松坂世代』(河出書房新社)、『遊撃手論』(PHP研究所)、『PL学園最強世代 あるキャッチャーの人生を追って』(講談社)、近著に『松坂世代、それから』(インプレス)がある。
●撮影/内海裕之