成田凌が“急成長”したきっかけとは?
もともと2013年にファッション誌『MEN’S NON-NO』の専属モデルとして芸能活動をスタートさせた成田凌。翌2014年、フジテレビNEXTsmartのオリジナルドラマ『FLASHBACK』で女優の高梨臨とダブル主演に抜擢されると、俳優としてもデビュー。2015年には『飛べないコトリとメリーゴーランド』で映画初出演も果たしている。
その後、数多くの映画やテレビドラマで活躍していった彼は、とりわけ2018年以降はさまざまな作品で映画賞を受賞している。俳優として急成長するきっかけとなった作品について、ヒナタカ氏は2019年公開の映画『愛がなんだ』を挙げながら解説する。
「ドラマでの活躍が目覚ましい成田凌ですが、映画において大きな躍進と言えるのが2019年の『愛がなんだ』でしょう。ミニシアター系の映画としては異例のヒットを記録しており、観客の多くは10代後半から30代の女性もしくはカップルだったそうです。同作で成田凌が演じているのはちょっとダメダメな青年の役なのですが、それでもやはり憎めない愛嬌が女性たちの心を掴んだようです。
さらに、2020年の過激なボーイズラブ作品『窮鼠はチーズの夢を見る』では大倉忠義の役と愛憎入り混じる関係にある、どこか“犬っぽい”可愛げがある青年も演じましたから、さらに女性ファンを増やしたのではないでしょうか。1作ごとに演じている役柄の振れ幅が大きく、しかも、それぞれが彼が演じてこその複雑な内面をも感じさせる役になっていて、観終わった後に“成田凌以外のキャスティングは考えられない”となるんです。
また、言わずと知れた2016年のアニメ映画『君の名は。』の見事な声の演技も見逃せません。彼は与えられた仕事を期待以上にやり遂げる。だからこそ“成田凌に任せておけば間違いない”と、幅広い役を任されるのでしょう」
映画『くれなずめ』の公開延期を受けて、初日を予定していた29日にはYouTubeでトークイベントが開催された。コロナ禍の中、エンタメ業界は厳しい戦いが強いられているものの、唯一無二の雰囲気を持つ成田凌は今後も活躍の幅を広げていきそうだ。
◆取材・文/細田成嗣(HEW)