新型コロナウイルスの感染拡大を受け、4月29日に予定していた公開が延期となった映画『くれなずめ』。主演を務めているのは、今最も活躍が著しい俳優の一人・成田凌(27)だ。NHKの連続テレビ小説『おちょやん』での演技も注目を集めた彼の唯一無二の魅力を探った。
映画『バイプレイヤーズ 〜もしも100人の名脇役が映画を作ったら〜』でも話題の松居大悟が監督と脚本を務めた『くれなずめ』は、松居監督自身の実体験をもとにした青春物語。とある結婚式で久しぶりに再会した高校時代の友人たちの交流を描いた作品で、成田凌はマスコットキャラのような存在の主人公を演じる。
成田凌と言えば、昨年秋からスタートしたNHK連続テレビ小説『おちょやん』で、ヒロインの夫役として出演したことも話題を呼んだ。さらに、今年は『まともじゃないのは君も一緒』や『ホムンクルス』など主演・準主演作の映画も立て続けに公開されており、その活躍はとどまるところがない。
そんな成田凌の魅力について、出演作を追いかけてきた映画ライターのヒナタカ氏はこのように説明する。
「すでに成田凌は実力派俳優として日本映画に欠かせない存在になっています。純情な善人からサイコな悪人までこなす演技の幅の広さを持ちながらも、憎めない愛嬌もある。その意味では、同世代か少し上だと松坂桃李、中村倫也、田中圭、綾野剛の立ち位置に近いようにも思えますが、その誰とも似ていません。
良い意味での“ものぐさ”そうなルックスや振る舞いには、母性本能をくすぐる“放っておけなさ”がある。彼がもともと持っている唯一無二の雰囲気が、演じているキャラクターをさらに豊かにしているんです」