芸能

講談師・神田伯山から「窮屈な新生活を送る若者たちへ」エール

新入生や新社会人に熱いメッセージを寄せた

新入生や新社会人に向け、熱いメッセージを寄せてくれた

 新年度の開始早々に3度目となる緊急事態宣言(東京、大阪、京都、兵庫)が発令されたうえ、政府や自治体、メディアからは「若い世代が〜」と一括りにされて出歩くことさえ批判される始末。テレビでもおなじみの講談師・神田伯山氏(37)が、窮屈な新生活を送る若者たちにエールを送る。(取材・構成/池田道大)

 * * *
 大人が考える若者像と、若者が本当に思っていることってズレているんですよね。ワイドショーとかで「今の若者はこうだ」って統計データを出して色々な中高年がなにやら言いますけど、私は若い頃「こいつらズレているな」と常々感じていました。ですから今、自分も37歳ですから、若者にしてみたら、だいぶ焼きが回っていると思います(笑)。

 その上で言うと、大人はいろいろな思惑や仕事上の都合などから異常に色々な事を煽ってきますけど、若者は意外と「このひとたちは、仕事で煽っているんだ」と気づいているんじゃないですかね。これはあらゆる現象に対してです。一部の若者は極端に素直だったりしますから、一括りにはできませんが、多くの若者は実は、色々な事に冷めているんじゃないかと勝手に思っています。全然違っていたら申し訳ないですが(笑)。

 若い人たちになんとなく、ぼんやり伝えたいのは、「幸せの基準を自分で決めた方がいい」ということです。これは私が敬愛する落語家の立川談志師匠の言葉です。「個性が大事」だとか、「結婚がどうの」とか、「仕事がどうの」とか色々と人生まわりは煽ってきます。煽られまくりです。本当になんでもいいんですが、揺るがない軸があるといいですね。私はこうしたいんだと。

 また談志師匠はこうも言っていました。「目の前にある牛乳が腐っているかどうか判断するのが、人生だろう」と。若い頃聞いたときに、「それは賞味期限で分かりたいですが」と思いましたが、本当に今になるとその通り。人生はあらゆることが選択です。この牛乳に限らず、これは腐っているのか、大丈夫か、この道でいいのか。すべて選択は自分であって、その延長線上にしか、自分はいないんですね。

 私は講談師になりたいと決意したときに、誰一人賛成する人は周りにいなかったです。親戚の空気的にも「よく分からないし、見込みもないだろうから、ほどなくして帰ってくるだろう」みたいな反応だった気がします。これが落語家でしたら、なんとなくイメージがつくので反対もしようがあったのでしょうが、講談は当時、ごく一部しか知らない、将来性がなさそう、落語の方がいいんじゃん、の三重苦で、反対のしようにも、よくわからないという感じだったことを覚えています。今考えると、この子に好きな事をさせてあげたいという親心もありましたね。

関連記事

トピックス

復帰会見をおこなった美川憲一
《車イス姿でリハビリに励み…》歌手・美川憲一、直近で個人事務所の役員に招き入れていた「2人の男性」復帰会見で“終活”にも言及して
NEWSポストセブン
遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
公設秘書給与ピンハネ疑惑の維新・遠藤敬首相補佐官に“新たな疑惑” 秘書の実家の飲食店で「政治資金会食」、高額な上納寄附の“ご褒美”か
週刊ポスト
高市早苗首相(時事通信フォト)
高市早苗首相の「官僚不信」と霞が関の警戒 総務大臣時代の次官更迭での「キツネ憑きのようで怖かった」の逸話から囁かれる懸念
週刊ポスト
男気を発揮している松岡昌宏
《国分騒動に新展開》日テレが急転、怒りの松岡昌宏に謝罪 反感や逆風を避けるための対応か、臨床心理士が注目した“情報の発信者”
NEWSポストセブン
水原受刑者のドラマ化が決定した
《水原一平ドラマ化》決定した“ワイスピ監督”はインスタに「大谷応援投稿の過去」…大谷翔平サイドが恐れる「実名での映像化」と「日本配信の可能性」
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(Instagramより)
「球場では見かけなかった…」山本由伸と“熱愛説”のモデル・Niki、バースデーの席にうつりこんだ“別のスポーツ”の存在【インスタでは圧巻の美脚を披露】
NEWSポストセブン
モンゴル訪問時の写真をご覧になる天皇皇后両陛下(写真/宮内庁提供 ) 
【祝・62才】皇后・雅子さま、幸せあふれる誕生日 ご家族と愛犬が揃った記念写真ほか、気品に満ちたお姿で振り返るバースデー 
女性セブン
村上迦楼羅容疑者(27)のルーツは地元の不良グループだった(読者提供/本人SNS)
《型落ちレクサスと中古ブランドを自慢》トクリュウ指示役・村上迦楼羅(かるら)容疑者の悪事のルーツは「改造バイクに万引き、未成年飲酒…十数人の不良グループ」
NEWSポストセブン
現在は三児の母となり、昨年、8年ぶりに芸能活動に本格復帰した加藤あい
《現在は3児の母》加藤あいが振り返る「めまぐるしかった」CM女王時代 海外生活を経験して気付いた日本の魅力「子育てしやすい良い国です」ようやく手に入れた“心の余裕”
週刊ポスト
熊本県警本部(写真左:時事通信)と林信彦容疑者(53)が勤めていた幼稚園(写真右)
《親族が悲嘆「もう耐えられないんです」》女児へのわいせつ行為で逮捕のベテラン保育士・林信彦容疑者(53)は“2児の父”だった
NEWSポストセブン
リクルート社内の“不正”を告発した社員は解雇後、SNS上で誹謗中傷がやまない状況に
リクルートの“サクラ行為”内部告発者がSNSで誹謗中傷の被害 嫌がらせ投稿の発信源を情報開示した結果は“リクルートが契約する電話番号” 同社の責任が問われる可能性を弁護士が解説
週刊ポスト
上原多香子の近影が友人らのSNSで投稿されていた(写真は本人のSNSより)
《茶髪で缶ビールを片手に》42歳となった上原多香子、沖縄移住から3年“活動休止状態”の現在「事務所のHPから個人のプロフィールは消えて…」
NEWSポストセブン