でもひとつ希望なのは、全体的に若者がまともそうだという点です。ツイッターなどみていても、色々な大人がスパークしていて、とんでもないことになっていますが。若い世代は、あんまりツイッターに熱中していない人が多いイメージです。あくまで推測ですが。SNSの使い方は、若者は圧倒的に上手いです。このこと一つをとっても、非常に賢明だと思いました。ネット上の喜怒哀楽に巻き込まれないのも、日常の出来事として大事だと思います。私は怖いので、ツイッターは宣伝にしか使いません。
殺伐とした世の中に必要なのは「寛容」の精神でしょう。それで言うと、落語を聴くのはいいと思います。人に寛容になれますし、自分自身をも笑い飛ばせて優しくなれます。落語には人生の色々な失敗が、笑いとともに詰め込まれていますが、聴けば心が軽くなります。落語の中に「世の中ついでに生きている人」という表現があります。これだけでも心が軽くなるような。
「人生は死ぬまでの暇つぶし」これは談志師匠がよく言っていた言葉ですね。良い暇つぶしをして、お互い世の中ついでに生きていきましょう。
ここらへんの詳しい話は、また今度。
【プロフィール】かんだ・はくざん/1983年東京都生まれ。日本講談協会、落語芸術協会所属の講談師。2007年11月、三代目神田松鯉に入門し、「松之丞」となる。2012年6月、二ツ目昇進。2020年2月、真打昇進と同時に六代目神田伯山襲名。2021年3月「令和2年度 花形演芸大賞」金賞など受賞多数。寄席の傍ら、ラジオやテレビなどで幅広く活躍している。