胃腸薬とオレンジジュースはNGの組み合わせだ(写真/Getty Images)

胃腸薬とオレンジジュースはNGの組み合わせだ(写真/Getty Images)

「制酸剤には胃酸を中和させるために炭酸水素ナトリウムが含まれていることがありますが、これが酸性の液体と胃の中で混ざると二酸化炭素が発生し、気分が悪くなったりゲップが出やすくなったりする。有効成分が溶け出して薬の効き目も悪くなります」

 また、症状を緩和するためによかれと思ってやった組み合わせが裏目に出ることもある。牛乳と便秘薬がその筆頭だ。三上さんが解説する。

「市販の便秘薬のほとんどは、『腸溶製剤』といって酸性の胃では溶けずに、中性〜アルカリ性の腸で溶けるようにコーティングされています。しかし牛乳やヨーグルトを同時に摂取すると、胃の中が中性に傾き、便秘薬が腸まで届かないうちに溶け出してしまいます」

 かぜをひいたときは食生活を見直し、野菜をたくさん摂ろうとする人も多いが、かぜ薬と相性が悪いものもある。

「アブラナ科の野菜に含まれるグルクロン酸は、かぜ薬や解熱鎮痛剤の有効成分であるアセトアミノフェンを分解してしまいます。これらの薬をのむときは、キャベツやブロッコリーを避けた方がいい」(長澤さん)

 体力をつけるための「栄養ドリンク」も選び方を間違えれば逆効果になる。三上さんは「カフェインの過剰摂取で体調が悪くなることがある」と注意を促す。

「かぜ薬や解熱鎮痛剤には『無水カフェイン』が含まれていることが多く、栄養ドリンクにもカフェインが入っているものがあります。両方を同時にのめば、カフェインの摂りすぎで、脈が速くなったり、頭痛を引き起こしたりすることがある。のむならば、ノンカフェインを選んでほしい」(三上さん)

 薬をのんだ後、口直しのドリンクには気をつけたい。

「市販薬をのんだ後に牛乳やコーヒーを飲みたい場合は、服用してから30分〜1時間くらいあけてください。薬をのんだ直後に晩酌をする人もいますが、どんな薬であってもお酒との併用は避けてほしい。思わぬ副作用が表れることがあるうえ、アルコールも薬も肝臓で分解されるので、肝臓に負担がかかって免疫が低下します」(三上さん)

コーヒーの覚醒作用は抗うつ薬、抗不安薬の鎮静効果を弱めてしまう(写真/Getty Images)

コーヒーの覚醒作用は抗うつ薬、抗不安薬の鎮静効果を弱めてしまう(写真/Getty Images)

炭酸水が解熱鎮痛剤の吸収率を低下

 気をつけるべきはカフェインやアルコールだけではない。アスピリンが入った解熱鎮痛剤は、ノンカフェインの炭酸飲料やジュースとも相性が悪い。三上さんが続ける。

「鎮痛作用のあるアスピリンはアルカリ性で溶けやすく、酸性だと溶けにくい性質がある。そのため、炭酸飲料や清涼飲料水など酸性のものと組み合わせると溶けにくくなり、体への吸収率が低下します」

 長澤さんも「基本的に、薬を炭酸飲料でのむのはやめた方がいい」と声をそろえる。

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